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英語のリダクション-音が消える、あいまい化する現象

hatsuon


ネイティブの英語が速くて聞き取れない、リスニングが苦手だ、という人は多いのではないでしょうか。
テキストの英語や、TOEICなどの試験英語だとそうでもないけど、実際のネイティブの雑談にはまるでついていけない。
ドラマや映画の台詞が、まったく聞き取れない。
あなたは、そんなはがゆい思いをしていませんか?

実はこれ、聞き取れないのではなく、そもそも発音されていない音があるのが原因だということ、ご存知でしたか?
それを知らないと、いつまでも「存在しない音」を追い続けてしまいます。

本来ある音が発音されない、脱落または弱化する現象をリダクション(reduction)と呼びます。

このリダクションの基本パターンを知ることで、英語の聞き取りがグンと伸びます。

まずはルールを覚えましょう。



<目次>
1.破裂音の語尾省略-寸止めの法則
1-1 グッドナイトではなく「グッナイ」
1-2 Tの発音は実は5種類あります

2.同じ子音は二度繰り返さない

3.アクセントのない母音はschwa(あいまい)化する
3-1 アクセントのない音節は音が弱化する
3-2 機能語と内容語-機能語にはアクセントが乗らない

4.人称代名詞のHは落ちる

5.前置詞は弱く発音する

1.破裂音の語尾省略-寸止めの法則



英語の破裂音は6つあります。

P, K, T, B, G, D

このうち、B/G/Dはそれぞれ、P/K/Tの有声音です。
英語の子音には、無声音と無声音があるのです。
日本語の感覚で言うと、清音と濁音に近いものですが、たとえばP/Bの関係は「パとバ」、K/Gは「カとガ」、T/Dは「タとダ」と言うと、なんとなく雰囲気がわかるでしょう。

これらは口の動きや舌の使い方は全く同じです。
たんに、声帯が鳴っている(有声音)かどうか、という違いがあるだけなので、同じルールが適応されるのです。

これら破裂音の語尾省略を理解することが、リダクションの基本です。

1-1 グッドナイトではなくグッナイ

Good night. という挨拶のフレーズは、誰しも知っているでしょう。
これを発音するとき、Goo(d) nigh(t)というように、語尾の破裂音を省略します。
なので、「グッナイ」と聞こえるはずです。
Good by.も同様に、「グッドバイ」ではなく「グッバイ」。

英語の破裂音は、語尾に来たときは、破裂せずにギリギリで止める。
いわゆる“寸止め”です。
これは上記の6つの破裂音すべてに、適応されます。

popcorn ⇒ po(p)corn   パッ/コーン
Help me. ⇒ Hel(p) me.  へゥ/ミー
Get back. ⇒ Ge(t) ba(ck). ゲッ/バァッ
doctor  ⇒ do(c)tor   ダッ/タァ
handbag ⇒ han(d)ba(g)  ヘァン/バァ
Oh my God! ⇒ Oh my Go(d) オウマイガァ/
Let it go. ⇒ Let i(t) go. レリ/ゴウ ※下線部分はリエゾンします

こうした基本ルールは、知っていればどうということはありませんが、知らないと思っている音と全然違うように聞こえるため、聞き取れない、速い、と感じるのです。

Tの発音は実は5種類あります

破裂音語尾省略のほかに、T(またはD)には、色んな発音パターンがあります。
このTのリダクションが、私たち日本人学習者にとって、ある意味いちばんやっかいなものと言えるでしょう。
とにかくまずは、ルールを知ること。
そして慣れることです。


★ルールその1 本来の破裂音

舌先を上あごにパスッと強く当て、空気の破裂を起こす。
アクセントの乗っているTは、必ず破裂音です。

tennis
time
top
September
attack


★ルールその2 フラップのT(T flap)

アクセントの乗らないTは、音が弱化します。
弱いDのような、また日本語のラ行のような音になります。
これは“フラップ”と呼ばれる現象です。
音が弱くなって、ラリルレロっぽくなる、と理解しましょう。

letter  レダァ
water  ウァーラァ
party  パァリィ


★ルールその3 寸止めのT(破裂音語尾省略)

1-1で紹介した、語尾のTですね。

Ge(t) se(t).    ゲッ/セッ/
si(t)come     スィッ/コム
ho(t) chocola(te) ハッ/チャカレッ/


★ルールその4 Tの脱落(NTの時、Tが脱落する)

綴りが“nt”の時は、Tが完全に消えてなくなります。
たとえば、数字の20。
これは英語で、twentyですが、北米アクセントでは“トゥウェニィ”と発音するのを、あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。

twenty ⇒ twenny  

というように、Tが脱落するのです。

この現象は他にもたくさんあります。

Pentagon ペナガン
Toronto  トロノウ
interne(t)  イナネッ
Santa Claus  サァナクロウズ

ペンタゴンではなく、ペナガン。
トロントではなく、トロノウ。
インターネットではなく、イナネッ。
サンタクロースではなく、サァナクロウズ。

こうして見ると、本来の英語の音って、私たちが思う音とは全然違うことがよくわかるでしょう。
たった一つの単語でさえ聞き取れない、という悔しい経験は誰しもあると思います。
それは、リダクションが原因なのです。


★ルールその5 飲み込みのT

最後は、綴りが“tn”の時です。
この時、Tを飲み込んだような発音になりますが、これは少しハードルが高いです。

mountain ⇒ moun’n  マウン・ン
kitten ⇒ kin’n    キ・ン
Manhattan ⇒ Manhan’n  メァンハッ・ン

この飲み込みTが言えるようになると、ネイティブっぽさがグンと上がります。
これはぜひトレーニングして、マスターしたいところです。

5つのTの発音について、わかりやすく動画で解説しましたのでご覧ください。





2.同じ子音は二度繰り返さない



Good dayをグッドデイと発音していませんか?
グッドデイではなく、「グッデイ」

英語は、同じ子音は二度繰り返しません。
無声音と有声音は、基本的に同じルールが適応されますので、T/D、P/B、K/Gは同じです。
同様に、F/V、CH/J、S/Zも同じ扱いです。

Have a good day.  ハヴァグッデイ
good time      グッタイム
hotdo(g)       ハッドォ~
big game       ビッゲイム
cupboar(d)       カボー
I’ve foun(d)    アイファウン
Ms. Smith      ミスミィス

ビッグゲイム、カップボードなど、カタカナ発音にならないよう、注意するようにしましょう。


3.アクセントのない母音はschwa(あいまい)化する



おそらく、日本人にとって最も苦労する母音が、あいまい母音(schwa)でしょう。
このschwa(シュワ)は、アクセント(またはストレス)の乗っていないところに、やたらと現れるため、私たちを悩ませます。
シュワを攻略すれば、あなたの聞き取り能力は劇的に向上します。

3-1 アクセントのない音節は音が弱化する

では、シュワ(あいまい母音)とは具体的に、どういったものでしょう?

発音記号は[ə]です。
辞書を引いた時、この記号をよく見かけるでしょう?
この音は、アでもウでもオでもない、日本語の母音には存在しないやっかいな音です。
喉の低いところで、呟くようにアとオの中間くらいの音を、出すのがコツです。

たとえば、communication という単語。
これ、コミュニケーションだと思っていませんか?
それは日本語(カタカナ)であって、英語の正しい音は違います。

発音記号で書くと、

kə-mjùː-nə-kéi-ʃən
・ミュー・・ケイ・シャン

となり、アクセントのある第2音節と第4音節以外は全て、母音は同じ音(シュワ)なのです。

スペルは関係ありません。

アクセントが乗らない音節は、音が弱化するのが英語なのです。
これを知らないと、ネイティブの英語は聞き取れません。

3-2 機能語と内容語-機能語にはアクセントが乗らない

もう一つ、英語を理解する上で重要なのが、機能語と内容語です。

内容語とは、文章の内容を表す重要な品詞のことで、動詞や形容詞、固有名詞などがそれにあたります。
対して、機能語とは文章の中の機能的役割を果たす品詞で、冠詞(a/the)や前置詞(in, to, atなど)、接続詞(and, but, or など)、人称代名詞(I, you, sheなど)といったものが代表的です。

たとえば、She is beautiful. という文。
これは、美しい(beautiful)が重要な情報ですね?
なので、beautifulという形容詞に、アクセントが乗ります。

シー・イズ・ビューディフォウではなく、「シズビューディフォウ」

となり、“ビュー”のところにアクセントが乗ります。
She isの部分にアクセントを乗せると、「彼女こそが美しいんだ」というように、“she”を強調してしまいます。
もちろん、そうやって強調することもありますが、普通に彼女はきれいだ、と言いたいのであれば、そういうアクセントの付け方は不自然になるのです。

機能語にはアクセントは乗りません。

アクセントの乗らない母音は、あいまい化することが多いのです。
これは、先ほどのcommunicationのような、長い単語においてもそうですが、文章においても同じです。
機能語の母音は、シュワになるのです。

たとえば、and という接続詞。
これは単独では、[ӕnd]、ア~ン(ド)という発音ですが、文章の中に出てくる時は母音があいまいになり、「エン」という感じの音になります。
Rock and Roll は、ロックアンドロールではなく「ロケンロウ」。
これは、Rock en Rollというように、音がリエゾンするのと同時に、andの母音がシュワ化するためです。

シュワについて動画で詳しく解説していますので、これを見てトレーニングしてくださいね。




4.人称代名詞のHは落ちる



人称代名詞とは、I, you, he, she といったものを指しますが、これらにも基本的にアクセントは乗りません。
つまり、音が弱化(リダクション)するのです。

中でも気を付けたいのが、Hの脱落です。

he, his, him, her といったHで始まる人称代名詞は、このHが落ちて母音しか聞こえてきません。
いわゆる昔の江戸っ子なんかは、ハ行が続くと上手く言えなかったりしますね。
「東」のことを「しがし」と言ってしまったり。
日本語にもこの、Hの脱落は起きているわけです。
英語も似たようなものです。
つまり、he はイ、his はイズ、him はイム、her はアァ、というように音が変化するのです。

Call (h)im. コー

I don’t like (h)er. アイドンライカァ

Do you know (h)is name? ドュユノウウィズネイム?

直前の単語の語尾(子音)と音がリンキングするため、call him がコーリム、like herがライカァ、know his がノウウィズとなるのがポイントです。
このように、音が脱落することで別の音に変化していくことも、英語では珍しくないのです。

Hの脱落は、hereにも起こります。

Come (h)ere. カミィヤァ

カムヒア、ではなくカミィ・・・となるわけです。


5.前置詞は弱く発音する



機能語は弱くなる、ということがわかってきたでしょうか。
音が弱くなることで、本来の音と違って聞こえる。
それが、ネイティブの英語がなんだかモゴモゴ言っているように感じる、一番の原因です。
弱化した音はシュワ(あいまい母音)になるため、この音が日本語の母音には存在しないせいで、私たち日本人は苦労するんですね。

前置詞が弱化するパターンは、ひとまとめにして覚えてしまいましょう。

to ⇒ də ダ
at ⇒ ə  エ
out of ⇒ audə アウダ

I go to work. アイゴウワァ(ク)
Look at me.  ルミィ
Get out of here. ゲダウヒア


まとめ



リダクションは、どの言語にも起こる現象です。

日本語でも、「そうではありません」と言うべきところを、「そうじゃありません」と言ったりしますね?
これは、「では」が「じゃ」に変化している、一種のリダクションです。

英語は、日本語と比べると音の種類が大変多いので、リダクションパターンもたくさんあります。
これですべてを網羅したわけではありませんが、リスニング・スピーキングに重要なものはほぼ全部上げています。
一気に何もかもやるのではなく、徐々に少しずつでいいので、耳を慣らしていくようにしましょう。

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私は英語を教え始めて25年以上になりますが、こういった悩みは昔から変わることなく頻繁に耳にするものです。
日本人は中高で6年間、英語を勉強してきています。
その後大学や、個人的に英会話を習うなどすると、10年以上英語に取り組んできている人も少なくありません。
なのになぜ、いつまでも同じ悩みを抱え続けるのでしょうか。


それは、日本人が間違った学習のしかたをしているからです。


英語は、日本語よりはるかに音の種類の多い言葉です。
たとえば母音ひとつとってみても、日本語には「あいうえお」の5つしかありませんが、英語は20以上あります。
母音だけで英語は日本語の4倍以上あるのです。
わたしたちには似たように聞こえる音でも、ネイティブにとっては「い」と「お」ほどの差があるのです。

色に例えて言うなら、単純に「青」に見える色も、ネイティブにとっては微妙に少しずつ違う。
スカイブルーもあればネイビーブルーもある、ターコイズもある、というようにそれぞれ違う色として認識されるのです。
日本人はまず、正しく音を認識する必要があります。

系統だてて音を理解し、慣れていくことで英語はスッと耳に入ってくるようになります。
そして、正しい発声と口を動かす訓練を続けることで、ネイティブのような発音・流暢さを身に付けることができます。
まずは、正しい音のルールを、理解するところから始めましょう。
わたしたちは学校で、まともに英語の発音を習うことがありません。
習ったとしても、「THは舌をかむ」だとか「Rは巻き舌にする」だとか、間違ったことを教わっている可能性が高いのです。


自分が言えるフレーズは必ず聞き取れます。


音を聞き取れたからと言って、必ずしもそれと同じように言えるとは限りません。
けれども真似して言える音は、必ず聞き取れます。
言ってることは大体わかるけど話せない、という人はいても、英語はぺらぺらだけどリスニングは全然できないという人は、いないのです。
自分が正しく言える、ネイティブのように言えるフレーズは、必ず聞き取れます。
発音矯正をすることは、そのままリスニングの向上に繋がる、一石二鳥のトレーニング方法なのです。


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著者プロフィール:明場由美子(Yumi)
大阪大学文学部卒、オクラホマシティー大学社会学専攻
フリーランス通訳、大手英会話講師、企業トレーナー、外資系出版社セールスマーケティングを経て2010年に独立、English Boot Campを立ち上げる。

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監修本:『ネイティブ発音が3D映像でわかる!英語の発音トレーニングBOOK DVD1枚CD3枚付き』(西東社)-Amazonランキング発音部門で第1位!





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