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2020年6月8日更新

どうすればネイティブの英語がわかるようになりますか?

これは、長年英語を教えていて、多くの人から聞かれる質問です。

どうやったら、映画やドラマを字幕なしで、見られるようになるのか。
毎日英語を聞いているのに、なぜいつまでたってもリスニング力が伸びないのか。
ネイティブ同士が雑談しながら笑っていると、いつもそこで一人話についていけず、ぽつねんと取り残されてしまう。
こんな状況から、いつになったら脱却できるのか。

日本人がなぜ、ネイティブの英語が聞き取れないのか、そしてどうすれば聞けるようになるのかお話したいと思います。
多少、耳が痛いお話もしますが、ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。


<目次>
1.英語には日本語にない音が多すぎる
1-1 日本語は音の種類がものすごく少ない
1-2 聞き流しは逆効果
1-3 単語単位で切らないこと

2.語学は勉強ではなくスポーツや楽器と同じ
2-1 聞けることと話せることは別
2-2 日本人は口や舌が動いていない
2-3 筋トレのように日々鍛える

3.英語学習の三種の神器
3-1 鏡、ICレコーダー、ストップウォッチを使え
3-2 書く暇があれば口を動かせ
3-3 自分が言えるフレーズは必ず聞き取れる

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1.英語には日本語にない音が多すぎる



ネイティブの英語が聞き取れないのは、早口だからだと思っていませんか?
でも本当にそうでしょうか。
たとえば、たった一つの単語なのに、聞き取れなかったことはないですか?
たった一単語なのに聞き取れないのは、本当に早口が原因でしょうか。

1-1 日本語は音の種類がものすごく少ない

日本語は、実は非常に音の種類が少ない言葉です。
たとえば母音を例にあげると、日本語は「あ・い・う・え・お」の5つしかありません。
それに対して英語は、基本母音だけで13、R母音なども含めると20を越えます。
ちなみに中国語は、母音だけで36種類あると言われています。
英語は日本語と比べて軽く4倍、中国語にいたっては7倍も音の種類があることがわかります。

つまり私たち日本語ネイティブは、そもそも聞ける音の種類が少ないということになります。
色で例えると、原色しか識別できないようなものです。
私たちには「赤は赤」としか映らなくても、英語ネイティブは朱色、紫がかった赤、ピンクがかった赤、茶褐色、といったように、微妙な色のグラデーションが見えるわけです。

ネイティブの英語が聞き取れないのは、そもそも英語の音そのものが聞けていないからです。
私たち日本人には、とにかく聞けない音が多い。
それを聞けるように訓練する必要があるのに、その訓練をほとんどやってきていません。
聞けない音が多すぎるため、下手すると1ワードの単語ですら、聞き逃してしまいます。
早口だから聞き取れないのではなく、音を拾えていないことが原因なのです。

1-2 聞き流しは逆効果

英語の母音で、私たちの天敵と言っていい音があります。
それは、「あいまい母音」です。

こんな発音記号、見たことありませんか?



schwa


これは、「ア」とも「エ」とも「イ」とも「ウ」とも「オ」ともつかない音です。
先ほどの色の例で言うと、赤でもなければ青でもない、まるで夜明けの空のような微妙な色合いのようなものです。
こういった音は、私たちの脳は一種の“雑音”として処理してしまいます。
言語として脳が認識しないわけです。
そして困ったことに、英語はこのあいまい母音(専門用語ではシュワ―と言います)が、母音の大半を占めるのです。
ということはつまり、英語の多くの音が、私たち日本人の脳の中では雑音として、処理されてしまっているということになります。

英語をただ聞き流していると、この「雑音処理」が自動的に行われることになります。
リスニングが伸びるどころか、言語として認識することをしなくなるのです。
ただ聞き流すだけの学習法は、実は非常に有害です。
英語を聞く時は、必ずスクリプトを見るなりして、内容を理解するようにしましょう。

1-3 単語単位で切らないこと

日本人には、聞けない英語の音がたくさんあります。
まずはそういった音を、一つ一つきちんと理解し、聞けるようになる訓練をすることが必要です。
これは結構骨の折れる作業なので、多くの学習者が無意識に避けて通っています。
けれども、聞けない音をただ聞き流しているだけでは、永遠にその音を脳が認識してくれることはありません。

もう一つ、英語は日本語と違って、音が繋がっていく言語です。
単語の終わりの音が、次の単語の頭の音と連結していきます。
これを、リエゾン(またはリンキング)と呼びます。

I am an American.

という中学1年生レベルの文章ですが、これを正しく言うことができますか?
“アイアム アン アメリカン”とか、”アイム アナメリカン”と、無意識に読んでいませんか?
英語は音が全部繋がりますから、

I’manamerican

となります。
繋げて読むと、アイマナメリカンです。

日本語は音がひとつひとつ切れる言葉です。
そのため、私たちは無意識のうちに、音を切って話す癖があります。
英語は単語単位で切れません。
すべて繋がってしまうため、音の切れ間がなく、それが「ネイティブの英語は早口だ」と勘違いしてしまう、最大の理由です。

ノンネイティブ、特にアジア人は音を切って話すため、たとえ早口で話していても、聞き取りにくいと感じることがあまりありません。
ノンネイティブ同士ならスムースに会話ができるのに、ネイティブ相手だと途端についていけなくなるのは、そのせいです。

こちらのビデオで、リエゾンについて解説しているので、参考にしてください。




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2.語学は勉強ではなくスポーツや楽器と同じ



tennisandguitar


中学高校と、私たちは英語を受験教科として勉強します。
そのせいもあってか、英語(語学)=勉強という認識が、多くの日本人の中にあるように思います。
実のところ、英語はどちらかというとスポーツや音楽など、副教科のほうに近いのです。
見て読んで暗記して、というだけでは上達しないのは、あたりまえなのです。

2-1 聞けることと話せることは別

たとえばあなたが、ギターがうまくなりたいと思っているとします。
憧れのギターリストがいて、あんな風にかっこよく弾けるようになりたい。
そうしたら、まずは何をするでしょう?
ギターを手にして、弾く練習をしますね?
憧れのギターリストのビデオを延々と見ているだけでは、ギターは弾けるようにはなりません。
実際にギターに触れ、音を出してみないと始まりません。

スポーツも同じです。
テニスがうまくなりたいのであれば、正しいラケットの握り方を知る必要があります。
そして、飛んできた球を思っている方向に打ち返せるように、何度も練習するでしょう。
球のスピードについていけないのであれば、まずは足腰を鍛えるため、筋トレをしたり走り込んだりして体力や瞬発力をつけるところから、始めるに違いありません。
間違っても、上手な選手の試合をただ見ているだけで、自分も同じように上手くなれるとは思わないはずです。

語学も同じです。
ただ見ているだけ、聞いているだけでは、外国語を話せるようにはなりません。
もちろん、見たり聞いたりすることは、学習者にとっては知識を仕入れるという意味では、重要なことです。
単語を覚え、音を一つ一つ聞けるよう訓練すれば、ある程度英語を聞いて理解できるようになります。
けれどもそれでは、話せるようになるには不十分です。
話すためには、実際に話す訓練が必要だからです。
実際にギターに触り、ラケットに触って、指や体を動かすのと同じように、英語も実際に口や舌を動かさないと、話せるようにはならないのです。

2-2 日本人は口や舌が動いていない

日本語は音の種類が少ないと言いましたが、つまりそれは口周りの筋肉や舌を、あまり動かさないでも話せるということです。
対照的に英語は、口やあご、舌といった筋肉をかなり使います。
日頃ほとんど体を動かさない人が、いきなり100メートルダッシュをしようとしても、足が攣って転んでしまいます。
英語を流暢に話そうと思ったら、まずは舌や口を正しく動かせるように訓練する必要があります。

正しい音を出せるようになることは、そのままリスニング力アップに繋がります。
RとLの区別がつかない人は、間違いなくRとLを正しく発音できていません。
自分が発音できる音は、必ず聞き取れるからです。
英語があまり流暢ではなくても、リスニングはだいたいOKという人はいても、ネイティブ並みに流暢に話せるのに全く英語が聞けない、という人はいません。
話せる人は、必ず聞けるのです。

リスニングを伸ばしたいと思うなら、スピーキング練習に力を入れるのが早道です。

2-3 筋トレのように日々鍛える

スポーツにせよ楽器にせよ、一朝一夕ではうまくなりません。
毎日コツコツと、時間をかけて練習した人だけが、上達するものです。
英語も同じです。

語学は、一朝一夕には上達しません。
特に私たち日本人は、そもそも音の種類が少ないという、大きなハンデがあります。
単語を覚え、構文を覚えただけでは、英語はマスターできません。
日本語にない音を認識できるように、英語の音を聞けるよう訓練すること、そして正しく言えるよう口や舌の筋肉を鍛えること。
これを日々続ける必要があるのです。

気が遠くなるような話じゃないか・・・と、思ったあなた。
これがスポーツだったら、決してそんな風には思わないはずです。
スノボーやサーフィンだったら、どうですか?
雪の中何度も転んで、下手すると骨折したりしても、めげずに何度も雪山に登るのではありませんか?
寒い冬でも朝から波乗りに出て、板の上に立てるようになるまで、ひたすらパドリングするでしょう?
そんなのは当たり前のことだと、思っているはずです。
いや、自分は寒がりだから雪山に行くのはちょっと・・・家でこたつに入っていたいけど、でもスノボーも上達したいんだよね、という人がいたらどう思うでしょう?
そんなの無理に決まってるじゃん、と思うはずです。

語学はスポーツや楽器と同じです。
一夜漬けで暗記して乗り切れる、というようなものではないのです。

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3.英語学習の三種の神器



では、リスニングを伸ばすためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。
まずは英語学習の三種の神器を、揃えてください。

3-1 鏡、ICレコーダー、ストップウォッチを使え

英語はスポーツや楽器と同じです。
正しい動き、姿勢をキープしないと上達しません。
そのためにはまず、自分の口や舌が正しく動いているか、自分の目で見て確認する必要があります。
LやRなど、舌を動かす時にちゃんと動いているか、また口の動きはどうか見ていますか?
必ず鏡を用意するようにしてください。

同様に、自分の英語を客観的に聞くことも重要です。
自分ではちゃんと言っている、発音しているつもりでも、実は全然違った・・・ということはよくあります。
英語は摩擦音や破裂音など、息をコントロールして出す子音が多くあります。
そういった息の音は、ちゃんと出ているか自分ではなかなかわかりにくいものです。
レコーダーに録音して、聞いてみましょう。

自分の声を聞くのなんて嫌だ・・・などと言わないように。
自分の演奏を聞かずして楽器は上達しません。
最初は嫌だなぁと思っても、そのうちすぐに慣れます(笑)
音を確認する作業を、必ずやってください。

もう一つ、時間を測りながら声に出してみること。
そのためにストップウォッチを使いましょう。
30秒間とか、1分でかまいません。
フレーズを声に出して言ってみます。
発音訓練をする際はだらだらとやるのではなく、時間制限をもうけてやること。
ほんの数分でもスキマの時間ができた時に、これを繰り返します。
毎日続けることが、大事ですよ。

3-2 書く暇があれば口を動かせ

書いて覚える、という作業は魅力的です。
なぜなら、「やった」感が味わえるからです。
分厚いノートを見ているだけで、これだけやったんだからという達成感が湧きあがってきます。

けれども、リスニングを鍛えるという点においては、書く時間があれば声に出したほうが何倍も効果的です。
書くという行為は、どうしてもスペリングや単語の意味に、気が取られてしまいます。
せっかく音に集中して、聞ける・言える訓練をしているのに、別のことに気が取られてしまっては意味がありません。

リスニングの訓練の際は、書くことはせずその分口を動かしましょう。

3-3 自分が言えるフレーズは必ず聞き取れる

最後に、リスニングがどうしても苦手だという人は、圧倒的に声に出して英文やフレーズを言うということが、足りていません。

ひとつのフレーズが、ネイティブの音声と同じように言えるようになるまで、何十回、何百回と繰り返していますか?
自分の声を録音して聞いて、ネイティブの音声とどこが違うか、比較していますか?
会話を、その登場人物になりきって、感情をこめて言えるまで何度も繰り返していますか?

さっと読んで、知らない単語は辞書で読み方を調べて、数回声に出して読んでみただけでは、やったことにはなりません。
数回素振りをしただけでは、練習したうちに入らないのと同じです。
何度も何度も繰り返し、血肉となるまでやること。
これが大事なのです。

スラスラと言えるフレーズは、必ず聞き取れます。
逆に言うと、聞けないフレーズは、正しい発音で言えていないからです。
先ほどの「アイム アン アメリカン」のように、間違った音で認識しているはずです。

リスニングを伸ばすためには、まずは発音から。
正しい音を認識できるようになることが、ネイティブの英語を聞き取れるようになる、近道であり王道なのです。

ビジネスマンから絶大なる支持を受ける英語発音教材
Yumiの脱カタカナ英語マニュアル

 
◆述べ3,500人に指導してきた発音矯正のプロによる、日本人のための英語発音矯正本

もう何年も英語を勉強してきているのに、話せるようにならない・・・
リスニングすらままならない・・・
そこそこ読めるのに話せない・・・
TOEICならまあまあのスコアが出るのに、ちっとも話せない・・・
どうやってもネイティブに聞き返される、英語が通じない・・・

といった悩みを、あなたも抱えていませんか?

私は英語を教え始めて25年以上になりますが、こういった悩みは昔から変わることなく頻繁に耳にするものです。
日本人は中高で6年間、英語を勉強してきています。
その後大学や、個人的に英会話を習うなどすると、10年以上英語に取り組んできている人も少なくありません。
なのになぜ、いつまでも同じ悩みを抱え続けるのでしょうか。

それは、日本人が間違った学習のしかたをしているからです。

英語は、日本語よりはるかに音の種類の多い言葉です。
たとえば母音ひとつとってみても、日本語には「あいうえお」の5つしかありませんが、英語は20以上あります。
母音だけで英語は日本語の4倍以上あるのです。
わたしたちには似たように聞こえる音でも、ネイティブにとっては「い」と「お」ほどの差があるのです。

色に例えて言うなら、単純に「青」に見える色も、ネイティブにとっては微妙に少しずつ違う。
スカイブルーもあればネイビーブルーもある、ターコイズもある、というようにそれぞれ違う色として認識されるのです。
日本人はまず、正しく音を認識する必要があります。

系統だてて音を理解し、慣れていくことで英語はスッと耳に入ってくるようになります。
そして、正しい発声と口を動かす訓練を続けることで、ネイティブのような発音・流暢さを身に付けることができます。
まずは、正しい音のルールを、理解するところから始めましょう。
わたしたちは学校で、まともに英語の発音を習うことがありません。
習ったとしても、「THは舌をかむ」だとか「Rは巻き舌にする」だとか、間違ったことを教わっている可能性が高いのです。

自分が言えるフレーズは必ず聞き取れます。

音を聞き取れたからと言って、必ずしもそれと同じように言えるとは限りません。
けれども真似して言える音は、必ず聞き取れます。
言ってることは大体わかるけど話せない、という人はいても、英語はぺらぺらだけどリスニングは全然できないという人は、いないのです。
自分が正しく言える、ネイティブのように言えるフレーズは、必ず聞き取れます。
発音矯正をすることは、そのままリスニングの向上に繋がる、一石二鳥のトレーニング方法なのです。

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著者プロフィール:明場由美子(Yumi)
大阪大学文学部卒、オクラホマシティー大学社会学専攻
フリーランス通訳、大手英会話講師、企業トレーナー、外資系出版社セールスマーケティングを経て2010年に独立、English Boot Campを立ち上げる。

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監修本:『ネイティブ発音が3D映像でわかる!英語の発音トレーニングBOOK DVD1枚CD3枚付き』(西東社)-Amazonランキング発音部門で第1位を獲得!

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