よく、読み書き、という言い方をしますね。
言葉には4つの技能、読む、書く、聞く、話す(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)があります。これら4技能がまんべんなくできて、初めてその言語をある程度習得したと言えるのです。日本人は読み書きは比較的得意だけれど、聞くのと話すのが苦手だ、とはちまたでまことしやかに言われていることですが、本当にそうでしょうか。

日本人は読み書きが得意ではありません。

そもそも、読み書き(リーディング、ライティング)と聞く話す(リスニング、スピーキング)というような分け方自体が間違っているのです。言葉には2種類のスキルがあります。それは、receptive skill(受動的な技能)とproductive skill(能動的な技能)です。受動的な技能とは、受け入れるだけの技能、つまりリスニングやリーディングのことを指します。能動的技能とは、自分から発信する技能、つまりスピーキングとライティングを指します。なので、4技能は、読む聞く(リーディング、リスニング)と書く話す(ライティング、スピーキング)というように分けなくてはいけないのです。

TOEICなどで試されるのは、receptive skillのみです。読む力と聞く力。これは受け身の技能なので、自分から発信する力は必要ありません。日本人の英語学習法は、このreceptive skillにばかり比重が行ってしまっているのです。もちろん、聞く力や読む力は重要です。これがないと始まりません。がしかし、いくらこの技能がアップしても、そのままproductive skill、つまり話す力や書く力には結びつかないのです。

アメリカ在住数十年という人がいます。夫の海外赴任でアメリカに移住した主婦ですが、この方は買い物をしたりバスで移動したりできる程度の会話はなんとかなりますが、それ以上の英語力はありません。けれども、テレビドラマを見て笑ったりするくらいのリスニング力はあるのです。実際、TOEICを受けてみたらスコアは800点を超えていました。それでも、アメリカ人数人集まっておしゃべりをする輪には入っていけないのです。
これは、receptive skillとproductive skillが根本的に違うということを示す良い例です。英語に触れる機会が多ければ、receptive skillはある程度までなら勝手に伸びます。がしかし、productive skillはそうはいかない。話す力、書く力というのは実際に訓練しないとなかなか伸びないのです。かの文豪夏目漱石は、ロンドン留学時代ほとんど下宿に籠りっきりだったと言われています。彼は英文学者でしたが、難解な英文学を読みこなす力はあっても会話がからっきしダメだった。こういうパターンは案外多いのです。

あなたは英語が話せるようになりたいですか?

もしそうであれば、receptive skillを伸ばすことばかりしていても結果は出せません。読む、聞くといったスキルの他に、話す、書くといったスキルを伸ばす訓練をしない限り、いつまで経っても英語でコミュニケーションを取れるようにはならないのです。別にコミュニケーションなど取らなくてもよい、英語で書かれた記事や文献を読み、CNNのニュースが聴き取れればそれでいいのだ、というのであれば結構ですが、そうでないのであれば、今一度ご自分の勉強法を見直してみてはいかがでしょう。

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