英語は通じればいい、別にネイティブのような発音ができなくてもいい。
確かに、これには一理あると思います。カタカナ英語でも通じる人は通じますし、発音を気にするあまり言葉が出てこないというのは困りものです。多少下手な(というと語弊がありますが、発音という点で上手くはない)英語でも、スムーズにコミュニケーションが取れればそれでいいと思います。そのこと自体になんの異論もありません。ただ、これから英語を学ぼう、マスターしようと思っているのであれば、やはりなるだけネイティブに近い発音を心がけたほうがいいのではないでしょうか。
以前、receptive skill(受動的な技能)とproductive skill(発信する技能)について述べましたが、前者はできるが後者はできない、という人は案外多いものです。つまり、聞く分にはある程度理解できるし文章もそこそこ読める、けれども話すのが苦手という人です。ところが、その逆はまずないのです。話すのも書くのもできるけれど聞き取れない、読めない。そんなことはありえないのです。
これは、語学習得において大きなポイントです。ある単語(または文章)を正確に言えるということは、それが聞き取れるということなのです。日本人はとかくリスニングにこだわりがちですが、いくら聞き流していても話せるようにはならない。話せるようになるためには話す訓練をするしかないのです。そして、話せれば必ず聞き取れる。これは語学の基本です。
正確に発音することが大切なのは、相手に自分の言っていることをわかってもらうということだけでなく、リスニング力をアップさせるという意味もあるのです。日本人が苦手な音は何でしょうか。一般的に、日本人は以下の子音が苦手だとされています。
LとR
BとV
SとSH
TとTH
確かに、これらの音は日本人にとってはなかなか難しい部類に入ります。けれども、実は日本人が最も苦手とするのは子音ではなく、母音なのです。日本語には母音は5つしかありません。すなわち、ア、エ、イ、オ、ウの5つですね。それに対して英語は短母音や長母音などを含めると20種類以上あります。日本人の知らない母音が十数種類もあるということです。これら母音の弱さが、そのままリスニングの弱さにもつながり、また、レストランで「フォークをください」と言ったらコーク(coke)が来た、なんてことになるわけです。
rice(お米)とlice(シラミ)を聞き間違えるというのは、文脈上めったに起こりうるものではありません。それ以上に重要なのが母音の区別です。たとえば、hat、hut、hot、これらは3つとも違う母音を持ち、当然意味もそれぞれ違います。けれども、これを日本語風に書くとすべて「ハット」になってしまうのです。hatは口を横に広げた感じ、hutは口をほとんど開けず喉の奥でつぶやく感じ、hotは口を縦に大きく開ける。日本語は、どれだけ大きく口を開けようが小さく言おうが、「ア」は「ア」でしかない。そこが英語と大きく違う点なのです。
それを知識として知っているか、また話すときに意識しているかしていないかによって、発音は大きく変わってきます。それだけでなく、聞きとり(リスニング)も大きく違ってくるのです。言われてみればたいして難しいことではありません。ただ、知っているのとそうでないのとでは雲泥の差が出るということなのです。
発音は非常に重要です。次回、細かい音に関して述べたいと思います。
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