日本人の弱点は子音ではなくむしろ母音にある。
これ、案外知られていないというか、気づいていないように思います。みんな、LとRの区別やBとVの区別に気を取られるあまり、母音がおろそかになっている。それは、意外と上級者にも見られる傾向です。日本人学習者が克服しなくてはいけないのは、20種類を超える英語の母音なのです。もちろん子音も大事ですが、それと同じくらい気を配らなくてはいけないはずの母音が軽んじられているのは由々しき事態であると言わざるをえません。
ひとつ例を取ってみましょう。
アップル社から出た新商品、iPad。
これを英語で言ってみてください。
ほとんどのネイティブのアメリカ人は、あなたの発音を聞いて“iPad”ではなく“iPod”と認識するであろうと思われます。これは、日本人が最も不得手とする母音のひとつ、[æ]という音と、[a]という音の区別です。前者は、catやhatなど、口を横に思い切り拡げ、「エ」に近いかたちで「ア」と言うような感じです。音的には「ア」と「エ」の中間、どちらかというと「エ」に近い音に聞こえませす。それに対し、後者はhotやtopなど、あくびをする時のように口を縦に大きく広げて「ア」と言います。
iPadは限りなく「アイペッド」に近い音に聞こえ、iPodは「アイパッド」に近い。一般的に、日本人がiPadと言う時、「アイパッド」となってしまいネイティブの耳にはiPodと認識されてしまうのです。こういう例は他にもごまんとあります。ホットドッグを頼んでも通じない、というような時、「ハッダッ」と言うと通じた、なんてこともあります。「o」と見れば自動的に「オ」という音に変換してしまう脳の認識を改めないといけないのです。
では、以下の単語を連続して声に出してみてください。
hat hot
pat pot
Nat not
lack lock
tap top
どうでしょう?口の形に注意しながら発音すると、結構疲れるでしょう?口元が引きつりませんか?それでいいのです。それは、日頃使わない筋肉を使っている証拠です。スポーツもそうですね。最初、始めたばかりの頃は筋肉痛になるでしょう?それが続けていくうちにだんだんとほぐれていき、痛みや不自然さはなくなってくる。思うように体が、筋肉が動いてくれるようになるのです。言葉も同じです。外国語ですから、日頃日本語を話す時とは違う口や顎の筋肉を使って当たり前なのです。最初は大変でも、何度も繰り返し声に出して練習するうちに慣れてきます。
毎日5分でもいいので、こういう練習を続けてください。
継続は力なりです。必ず、効果は表れます。
以上、母音のお話でした。
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