Global Englishesという研究分野があります。
Englishが複数形になっているところがポイント。
英語はもはや世界共通語なので、ネイティブの英語(つまり、米、英、加、豪、新)だけでなく、
準ネイティブ(シンガポールやフィリピンなど)、また第2言語としての英語など、
もっと多角的に英語を研究しよう、という動きを指します。
日本や韓国、台湾などではアメリカ英語がデフォルトとなっています。
というよりも、旧英植民地(香港やシンガポール、インドなど)以外の国では、
アメリカ英語を教えているのが普通です(ヨーロッパは除く)。
イギリス英語やオーストラリア英語は、地域(方言)や社会階級などによって話し方に大きな差があります。
たとえば、アメリカ英語の場合、CNN英語が聞き取れれば、
サンフランシスコのカフェで店員の言うことを聞き取ることができます。
CNNのキャスターや映画俳優が話す英語と、一般庶民の話す英語はほぼ同じだからです。
けれども、これはイギリスには当てはまりません。
BBC英語が聞き取れるようになっても、ロンドンのカフェ店員の言うことは聞き取れない可能性が高い。
あんな風に喋る人は、まずいないからです。
そこが、イギリス英語の大変なところだと言えると思います。
せっかく日本語(標準語)をマスターしたのに、みんな関西弁を喋っているようなものだからです(笑)
アメリカ英語は、地域差や社会格差による大きな違いはありませんが、
南部英語(southern drawl)と黒人英語(African American Vernacular English)は、
英語学習者泣かせだと言っていいと思います。
私は、留学先が多少南部に近かったため、よほど強い南部訛りでない限りは大抵聞き取れますが、
苦労するのは黒人英語ですね。
黒人英語の特徴は、発音だけではなくその独特の文法にもあります。
有名なところでは、ain’t got(don’t haveの意)、ダブルネガティブなどがありますね。
こういったメジャーな黒人英文法は、白人にも真似されています。
基本的に、「黒人英語=カッコイイ」というのがあって、
黒人たちの間で流行った表現を、白人の若者が真似をする、すると黒人はもうその表現を使わない、
といった流れがあるようです。
発音に注目してみると、thang(thingのこと)や、da(the)など、特徴がありますが、
母音の“i”と“e”の区別がつきにくいというのも、ひとつの特徴です。
たとえば、マイケル・ジャクソンの「Ben(邦題:ベンのテーマ)」を聴いてみましょう。

もはや説明する必要もない、MJの大ヒット曲ですね。
映画の主題歌だったか挿入歌だったか、とにかく当時日本でも流行った曲です。
ここで、マイケルの“Ben”の発音に注目してください。
「ビン」に近い音に聞こえると思います。
“friend like Ben”が「フリン ライク ビィン」と聞こえるはず。
マイケルは、成人してからは黒人訛りがいっさいなく、話し方だけを聞いていると白人のようでした。
けれども、この「Ben」を歌っているときは、彼もまだ子供で(12、3歳くらいでしょうか)、
典型的な黒人アクセントが残っていたんですね。
おそらく、成長とともに意識的にアクセントを矯正していったのか、
もしくはいつの間にかなくなっていったのだと思われます。
アクセントには、社会階級や知的階級、民族的背景など様々な要素が絡み合っています。
そういう意味では、とても興味深いテーマですね。
しかし、この頃のマイケルは本当に可愛いドキドキ
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