大手英会話スクール、ジオスの倒産がまだ記憶に新しい今、
英会話スクールとの上手な付き合い方、失敗しない選び方について書いてみたいと思います。
初めにお断りしておきますが、私はここで英会話スクール批判をしたいわけではありません。
スクール選びは、あくまでも選ぶ側の自己責任だと私は考えます。
ただ、これから英語(英会話)を習おうと思っている人にとって、少しでも参考になれば、
と思ってこの記事を書いているにすぎません。
私は、20代から30代にかけて、複数の大手英会話スクールで教えていました。
英会話産業の表と裏を全部見てきたと言っていいと思っています。
その知識と経験を生かして、ここでスクール選びに関するポイントを挙げてみたいと思います。
英会話スクールには2タイプあります。
ひとつはネイティブの講師のみ採用する方針の学校。
もうひとつは、中級レベルまでは日本人講師が担当し、上級者をネイティブが教えるという学校。
前者には、NOVAや、ベルリッツなどがあります。
NOVAは、史上最大級の損害を出し、倒産してしまいましたが。
同じく倒産したジオスを含め、ECC、イーオンなどは後者にあたります。
このほかに、準大手と呼ばれるスクールもあります。
大手ほどではないにせよ、チェーン展開していてそこそこ教室数のあるスクールで、
日米外語学院や、シェーン英会話などがこれにあたるでしょう。
また、GABAや7actなどの、いわゆる出張レッスン型の英会話スクールもありますね。
本当に、日本は星の数ほど英会話学校があるのです。
では、この無数にあるスクールの中から、どのようにして自分に合ったものを選べばよいのか。
選ぶポイントは、大きくわけて3つあると思います。
1.自分のニーズをきちんと把握すること
2.自分自身のレベルを客観的に見ること
3.スクールの経営状況を注意深く観察すること

当たり前のことですが、なぜ英語(英会話)を勉強するのか、目的は何なのか、
それをはっきりさせないことにはスクール選びなどできません。
何か新しいことを始めてみたい、それには英会話なんかがいいかも。
漠然と、英語が話せたらいいのにな、と思っている。
暇だし、今時何も習いごとをしていないのもなんだし、英会話あたりが無難なんじゃないか。
こういう動機の人は、あくまでも趣味の範囲内で楽しく英語をやりたいということですので、
この金額までなら出してもいい、という上限を決めて自分のペースでやればいいと思います。
このブログでも繰り返し言っていることですが、
語学は楽をして習得することはまず絶対に不可能です。
気楽に学びたいというのであれば、半分お金は捨てる覚悟が必要です。

いわば、エステと同じですね。
施術後、特別美しくなった、若返った、とは思えないけれど、
なんとなく気持ちよかったし、リフレッシュできたからいいか。
そのためなら、60分コースが1万2千円でも出す価値はあるかな、という、
言ってみれば“気休め”のための料金です(笑)
本当に美しくなるためには、毎日運動をし、食生活から改善しなくてはなりません。
エステはいわば付け焼刃、それでも高い料金を出してサロンに行くのは、
サロンでのひと時が、ある種の癒しと自己満足を与えてくれるからにほかなりません。
モチベーションがそこまで具体的でない人の場合、このエステと同じで、
たいして上達などしなくていい、その場で楽しく友人を作りながら、
なんとなく会話をやっているという充実感を味わえればそれでいい、と割り切ることです。
この場合、間違っても長期スパンで考えてはいけません。
3年間で数百レッスンというパッケージなら、1レッスンたったの1,200円、お得ですよ~
と言っては何十万という契約をさせるのが、倒産したスクールの常套手段でした。
最初から数百レッスンなんて、考えてはいけません。
よ~く考えてみてください。
楽しくやりたい、という程度の心構えの人が、
数年間も同じモチベーションを保てるわけがないのです。

途中で飽きてしまうかもしれませんし、何らかの事情で通えなくなるかもしれません。
月謝制のスクールを選ぶようにしましょう。
では、動機がはっきりしている場合はどうでしょうか。
仕事上どうしても英語が必要になった。
留学する予定なのでTOEFLのスコアを上げなくてはいけない。
何がなんでも英語をマスターし、映画を字幕なしで見られるようになりたい。
などなど、とにかく、きちんと英語でコミュニケーションが取れるようになりたい、
という具体的かつ強固な意志があるかたの場合は、まずはご自分のレベルを自覚しましょう。
TOEICなどの資格を持っている人は、それが目安になります。
また、高校時代進学校で英語が得意だった、有名大学の英文科を出ている、
という人は資格がなくてもある程度の基礎知識はあると言えます。
こういった人たちは、真剣に英語をモノにしたいと思っているはずなので、
スクール選びはさらに慎重にしなくてはなりません。
なぜなら、どの学校に行くか(というより、どんな講師に教えてもらうかによって、
上達度が天と地ほど違ってくるからです。
現時点でTOEICのスコアが600点以上ある人、またはそれに準じた資格を持っている人は、
中級以上と考えていいと思います。
そういう人たちは、一度、ざっと英文法と単語を復習するといいでしょう。
書店の英語コーナーで、適当に1冊買って自分でやり直しをするのです。
それから、学校に通うなりプライベートレッスンを受けるなりするのが一番効果的です。
では、TOEICが700点以上ある人はどうでしょうか。
いわゆる、上級者といっていいレベルですね。
このレベルの人に必要なのは、インプットよりもアウトプットなのです。
フルエンシー(会話力)が足りない人の特徴として、場数を踏んでいないというのがあります。
実際に話す機会を多く作ることで、アウトプット能力を上げていく訓練をするのです。
このレベルの人であれば、講師の当たり外れはそれほど関係しません。
ある程度、自分で取捨選択するだけの力があるからです。
自分で取捨選択する能力を、self-correction能力と呼びましょう。
self-correctionとは、自分で自分の間違いを訂正することを指します。
たとえば、ネイティブの講師と会話をしていたとします。
あと10分、と言おうとして“more ten minutes”と言ったとします。
するとそれを受けてネイティブ講師が、“Okay, ten more minutes”と返してきました。
そこであなたは、「あ、しまった。more ten じゃなくて ten moreが正しい語順だった!」
と、自分で気付き、次からは注意して間違わないようにする。
そうできる能力をself-correction能力と言うのです。
ネイティブの講師は、もちろん個人差はありますが、
生徒の間違いを指摘して、徹底的にcorrectする人はあまりいません。
なので、このself-correction能力のない人がネイティブ講師に付くと、
いつまで経っても基本的な間違いをしたまま、ブロークンな英語を話し続けることになります。
中級以上のレベルになってくると、これも個人差はありますが、
自分の間違いに自分で気付き、訂正することができるようになってきます。
そうなれば、あとはフルエンシー補強だけなので、ネイティブで大丈夫になります。
ただし、スクールに通う場合は、十分慎重に選ぶべきです。
その雰囲気やスタッフの接し方など、冷静に見て判断したほうがいいと思います。
でないと、NOVAやジオスの二の舞になってしまいます。
経営状況が危ない学校には、共通した特徴があります。
それはどういったことでしょうか。
続きはこちらで⇒Yumi’s Columns
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