どういうタイプの人が、英語を習得しやすいのか、上達が早いのか。
これ、あまり真正面から語られてこなかったように思います。
日本人って、こういう角度から物を言うことをタブー視するきらいがありますね。
一生懸命頑張っている人に対して、批判的な物言いをすることはよくない、
といった正義感から来るのでしょうか。
けれども、一生懸命学ぼうとしているからこそ、どうすれば効率よく学べるのか、
ちょっとしたチップを知りたいと思うものだと私は思います。
少なくとも、私だったらそういうアドバイスを歓迎すると思います。
繰り返しますが、私は何も学習者に対して批判をしたいわけではありません。
そうではなく、学習者の手助けになりたいと思い、こういった記事を書いているのです。
以下、非常にstreightforward かつ downright な内容が続きます。
そんなことは聞きたくない、私は私のやりたいようにやるんだ、という人はスルーしてください。
本気で英語を何とかしたい人へ。
前回、自分の実力を冷静に見ることが大事だと言いました。
それには、他者からの評価や判断が必要不可欠です。
客観的なデータをなるだけたくさん集めることが重要なのです。
私は英語が苦手だ。
発音があまり得意ではない。
読み書きはイマイチだけど、そこそこ聞ける。
といった、自分ひとりでの思い込みは危険です。
まずはプロに判断をゆだねましょう。
その際、プロから言われた結果を素直に受け入れることが非常に重要です。
そんなことはない、私はこうだ。
というアマチュアの頑固な思い込みは、どの分野においても上達を阻みます。
自分の評価は、自分がするものではなく他人がするものなのです。
その現実を受け入れられない頑固な性質の人は、語学習得において大変な損をします。
ベリービギナーだった人が、あっという間に上達した、という例を何件も見ています。
その人たちに共通するのは、素直だということです。
自分の弱点を指摘されても、それを素直に受け入れ克服するよう努力するタイプの人たち。
そういう人たちは吸収が早く、どんどんレベルアップしていきます。
反対に、講師の言うことに一々反発する人は、そこでストップしてしまいなかなか前に進みません。
また、自分の弱点を受け入れられないプライドの高い人も、損をします。
これは日本人の場合、圧倒的に男性に多いパターンです。
楽器などもそうですが、現時点ではとにかく基本に忠実に繰り返し練習するしかない、
という段階があるものです。
そこを通り抜けなければ、絶対に上には行けない最初の山とも言えるでしょう。
そこで、「なぜこんなことをしなくてはならないのか」とか、
「○○さんはこういうふうにやっていた。だから自分もそうやったっていいじゃないか」とか、
「このことに本当に意味があるのか」といったような、
懐疑的、後ろ向きな姿勢をどうしても崩せないタイプの人は、
語学習得において、一番損をすることになります。
体に覚え込ませるまで黙々と反復訓練をする、というのは語学の鉄則です。
もちろん、それをしなくてもスイスイと行ける人も中にはいます。
けれども、講師があなたに反復訓練を課したということは、
残念ながらあなたはスイスイ行けるタイプの学習者ではないということなのです。
その客観的な事実を受け入れない限り、進歩はありません。
学習者は、それぞれ資質もタイプも能力も違います。
講師はそれを見抜き、その人に応じた最適の方法で臨むのです。
それに素直に従えない人は、自らの首を絞めることになってしまいます。
私はかつて、日本語を教えていたことがあります。
あるドイツ人の生徒に、自分の親のことは「私の父」「私の母」と言うけれど、
他人の親のことは「あなたの父」とは言わず、「あなたのお父さん」と言います、と説明したら、
「ドイツ語では父も母も一種類しかない、そんなのはおかしい」と反論されたことがあります。
言うまでもなくドイツ語と日本語は別の言語です。
まして、西洋と東洋という、文化圏もまったく違うわけです。
日本は話す相手によって話法や語彙を使い分ける文化だ、と説明しても納得してくれません。
こういうタイプの頑固な学習者は、語学の上達が遅くなってしまいます。
今の時点ではよくわからないけど、そういうものなんだ。
とりあえず、そういうものだと思って覚えてしまおう。
そのうちわかるようになるだろう。

これは、語学習得において非常に重要な考え方であり、姿勢です。
また、自分はこれだけは自信がある、という強いこだわりやプライドは、
語学習得においては邪魔なだけであって、得することはひとつもありません。
このタイプの人に顕著に見られるのは、自分がわからないということを知られたくない、
という異常なまでのプライド、または意地です。
わからない、ということは恥ではありません。
間違えることを恥だと思っていると、間違わないようにすることで頭がいっぱいになります。
これは、高学歴の女性や花形職業に就いている女性にもたまに見られる特徴です。
自分は海外経験も多いし、外国人の友人も多い。
だから英語に関してはその辺の素人とは違う。
そういうプライドは、自身の客観的な評価を拒む気持ちを生むことがあります。
ブロークンでも、間違いだらけの英語でもコミュニケーションはある程度できます。
友人の外国人は、そんなあなたの英語を一々訂正したりしません。
なぜなら、彼・彼女は英語の先生ではないからです。
意味のないプライドやこだわりは、英語学習においては邪魔なだけなのです。
かつて教えたことのある某上場企業の社長さんは、言われるまでそうとはわからないほど
非常に腰の低い上品な紳士でした。
英語は初級者レベルでしたが、娘ほどの若い講師(私)に、いつも丁寧に接してくれ、
「先生、今日もよろしくお願いします」と頭を下げるような人でした。
この人を教えたのは半年ほどでしたが、どんどん上達されて、
気付けば中上級レベルにまで達していました。わずか半年の間にです。
一般的に、初級者がそのレベルに行くには、大体1~2年かかるものなのですが、
彼の素直な姿勢が上達を早めたのだと私は思います。
自分に合ったスクールや講師を選ぶこと。
これは、学習者に取って不可欠です。
けれども、それ以前に重要なのは、本人の謙虚に学ぶ姿勢なのです。
これから英語を本気でなんとかしたいと思っている方へ。
ご自分のカラを破って、真っ白な状態でスタートすることをお勧めします。
以上、私からの辛口応援メッセージでした。
ダウンこの記事が役に立ったと思った方はクリックお願いします音譜
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 英語ブログ 英語学習情報へ
にほんブログ村


スポンサーリンク

関連コンテンツ