イングリッシュブートキャンプ:由美です。

単語を覚える時に気を付けないといけないのは、その使われ方、使う時のシチュエーションです。
日本語で「問題」と言うと、さまざまな内容を含みますが、英語には色んな言い回しがあり、状況によって使い分けます。

というわけで、英単語を覚える際のポイントを、「問題」を例に説明したいと思います。

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直訳はやめよう

日本人は英作文が不得意だ、とよく言われます。
かなりの上級者でも、英文を書かせるとおかしな文になる。
それはなぜでしょう?

原因として考えられるのは、不自然な単語の組み合わせです。
すごく堅い単語、たとえば日本語だと「遅延する」みたいな堅苦しい単語を、カジュアルな、気安い単語と組み合わせたりしてしまうことがあります。

「頼んでいた荷物が遅延してめっちゃ困った」

みたいな、おかしな文章のできあがりです(笑)

そこは、

「依頼していた荷物が遅延し、大変困りました」

とか、

「頼んでいた荷物が遅れてすごく困った」

とならないと、不自然ですよね。

このように、状況に合わせて、相応しい単語を選ぶ能力を養うことが、第二言語を学ぶ上で
すごく大切なんですね。
日ごろから単語を覚える際に、これはどういう状況で、どういう立場の人が使うのかということを、常に念頭に置くようにすると、この手のミスは少なくなります。
そうすれば、意味はわかるけどヘンテコな英語、というパターンに陥らなくてすみます。

question2_detail

日本語では1つしかなくても、英語には複数の単語があることがある

表題の「問題」という単語ですが、これはなかなか要注意な語彙です。
和英辞書で「問題」を、引いてみましょう。
英辞郎で引くと、こんな感じで出てきます。

business(困難で厄介な)
case
defect
glitch〈俗〉(機器に発生する)
matter(考慮すべき)
point of occasion
problem(答えるべき / 困難・害・迷惑を及ぼす解決されるべき)
proposition〈話〉(直面すべき)
question(解決すべき)

え、こんなにあるのか・・・という感じですね(^ ^;)

これが辞書のやっかいなところなんですね。
優先順位がわかりにくいし、どういう時に使うのか、この説明だけだとしっくりきません。

今回私が取り上げたいのは、problem, question, issueの3つです。

まず、problemですが、これはたとえば、No problem(問題ない、大丈夫ですよ)と言う時のあのproblemで、迷惑になりそうな問題が目の前にある、というイメージです。
何の問題もないです、だから気にしないで、というのがNo problem のニュアンスですね。
そうイメージすると、理解しやすいかと思います。

questionは、相手に投げかける問題です。
質問や問い、と言い換えてもいいでしょう。
I have a question for you(あなたに質問があります)というように、答えるべき問題を指します。
これがquestion のイメージです。

最後に、issueですが、これは大きな論争となるような問題、社会問題を指します。
世間を騒がす問題とか、政治や経済の問題とか、取り組むべき大きな問題ですね。
Time is an issue for many people(時間は多くの人にとって重要な問題です)
差し迫った問題という切迫感が、含まれるんですね。

ニュアンスと使われる状況を把握すること

単語を覚える時、こういった“How to use”を理解しないと、おかしな文章になってしまいます。
例文を漠然と見るのではなく、これはどういうニュアンスで、どういう時に使われるのかということに、常に注目するようにしましょう。
これはある意味、英語能力というよりは、言語(母語)能力なので、言葉に対するセンスも
加わってくるかもしれません。

以前、誰かがSNS上で、I slept slowly.と書いているのを見かけたことがあります。
おそらく、「ゆっくり寝ました」と言いたかったのだと思います。
日本語の「ゆっくり」という副詞は、動作が遅いという意味もありますが、ゆったりしている、のんびりしているという意味もあります。
けれども英語のslowlyは、そういう意味はありません。
slept slowlyなんて書いてあると、スローモーションのように寝るさまを想像してしまい、なんとも言えないシュールな気分になります(笑)

こういうのは、英語力と言うよりもむしろ、日本語力の問題です。
外国語を習得する上で、母語の能力というのは非常に大きく影響します。
日頃からたくさん本を読んだり、文章を書いたりする訓練をすることが大事です。

外国語学習は発音が基本

そしてもう一つ、これがある意味いちばん大切といってもいいのですが、単語を覚える際に、必ず発音も一緒に覚えること。
絶対にやってはいけないのが、適当に発音してしまうことです。
なんとなく字面を見て、こうかな・・・と、雰囲気で覚えてしまうのは危険です。
なぜなら、一度間違えてインプットされてしまった音は、後からなかなか修正しにくいからです。
そうなると、いくら単語を知っていても、ネイティブの会話が聞き取れません。
スクリプトを見たら全部知っている単語なのに、聞き取れなかった・・・という悲しい思いをすることになります。

電子辞書やオンライン辞書には、必ず音声が付いています。
それを聞いて、正確に発音できるようになるまで、声に出して練習してください。
自分の声を録音して、音源と聞き比べてみるとよいです。
言えてるつもりが、客観的に聞くと全然違う、なんてことはざらにあるからです。

言葉は音で成り立っています。
どの外国語を習得するにも、発音は全ての基本です。
特に英語は、日本語と発声がまったく違う上に、音の種類も日本語より遥かに多いため、まずは正確に発音できるよう、そのルールを理解することが必要です。

学校の授業では、発音をほとんど教えません。
教えないだけならまだいいですが、下手をすると先生のカタカナ発音を聞いて、それが頭の中にインプットされてしまっていることもあります。
これが、日本人がリスニングを苦手とする、最大の原因です。
まずは、発音を一からやり直しましょう。

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