今、ゲゲゲの女房という朝の連続ドラマがヒットしているようですね。
確かに、日頃ドラマなど見ないうちの父親までもが、毎朝楽しみに見ています。
これって相当なもんだと感心していたら、やはりネットでも取り上げられていて、
このところ不調だったNHKの朝のドラマがここまでヒットしたのは、ヒロイン像によるところが大きいのだとか。
これまでは、頑張るヒロイン、夢に向かって羽ばたく能動的なヒロインの生涯を描いたものが多かったのが、
ここに来て一転、古い日本の価値観、家族観を前面に押し出した、夫に人生をゆだねるヒロイン像に、
不況で疲れた現代日本人が感情移入しやすかったのがヒットの原因だと分析している人がいて、
なるほどと思いました。
それと同時に、日本人はまたしてもそうやって変化という現実から逃げるのだな、と暗い気持にもなったのです。
茂木健一郎さんが、ブログで「偶有性」忌避という「風土病」について興味深い記事を書いています。
押し寄せるグローバリズムの波から必死で逃げまどい、変化を恐れひたすら過去の価値観に生きる。
黒船が目の前にやってきているというのに、それを拒み続ける日本人。
なのに、今は空前絶後の坂本竜馬ブームというのが皮肉な話ですね。
お見合いで結婚し、たまたま夫が社会的に成功したことで脚光を浴びたヒロイン。
それは、過去の物語でしかない。昭和の初めのお話。
その中のヒロイン像や夫婦観を良しとする日本人のメンタリティーは、
まさにこの茂木さんの言うところの「風土病」以外の何ものでもないと思います。
正直、私はこの茂木さんというかたがあまり好きではありませんでした。
テレビで見かける彼の姿は、なんだか軽い雰囲気で胡散臭い印象があったのです。
けれども、最近彼のツイートが知人にリツイートされていて、その内容が意外だったのと、
ブログの記事を読んで、この人がテレビで見せる姿はあくまでもテレビ大衆向けであって、
本当はまともな、私の共感できるタイプの人であることがわかりました。
少なくとも、内田某氏なんかよりはるかに日本の将来をまともに見ていると思います。
ゲゲゲの女房にハマりつつも、同時に竜馬の勇姿に酔いしれる。
このダブルスタンダードこそが、日本人の姿なのでしょう。
日本が、この風土病から治癒することはできるのでしょうか。
その答えは、彼のブログにも書かれていません。
このままじゃヤバいよ、日本
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保守化する日本人-その2
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好きな漫画家の水木しげる先生関係という事で、ゲゲゲは欠かさず観ているのですが、一概に保守的な価値観を標榜するドラマとも思えません。
確かにヒロインの生き方は古式ゆかしい日本の良妻賢母で、それもヒットの理由の一端でしょうが、むしろ、ヒロインよりも水木先生の存在感がデカイのではないかと。
常識や世間体にとらわれないマイペースぶりだったり、大変な時こそ心にゆとりを持てと説いたり、色々な趣味に手を出したり。
時代こそ昭和初期ですが、水木先生の描かれ方は非常にフレキシブルで、パワフルです。日本的というより、欧米の個人主義に近いものを感じます。
実在のモデルがいる(今もご存命)とはいえ、そういう人物像をNHKが正面切って描いた事に驚いているほどです。
ドラマの中の水木先生の生き方に感化されている人も大勢いるようで、個人的には、良い傾向ではないかと思うのですが。
で、今までの「能動的なヒロイン像」のドラマについては…多分、能動的とか受動的とかの前に、脚本が酷すぎてムカついた人が多かったというのが、不人気の真相かと。
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>ギルさん
なるほど、マイペースでパワフルなアーティストの生き方、というのがポイントなんですね。
その辺が若い層を巻き込んだ勝因なのかもしれないですね。
民法ではなくNHKがそういったドラマを作るのは、案外不思議ではないような気もします。
私は、朝の連続ドラマは見たことがほとんどないですが、
単発で夜放送されるドラマで佳作がいくつかあったと記憶していますので。
脚本の酷さはNHKといえどもまぬがれない部分があったのでしょうかね。
数年前に放送された「ちりとてちん」などは評判がよかったように思うのですが・・・
常にクオリティーを保つのは、難しいのかもしれないですねぇ。
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確かに、「ゲゲゲ」が受けているのは、水木さんの個性も大きいとは思う。
でも、Yumiさんが指摘する(というか、評論家?が言ってる)保守化傾向もあると思う。
ゲゲゲは最初のうちは視聴率はパッとしなくて、奥さんのなんとかって女優が登場してからぐんぐん視聴率上がったって話。つまり、奥さんのキャラの登場がドラマの成功につながったってことだと思う。
私も仕事がら朝ドラはチェックしてるんだけど、「ちりとてちん」以来のヒットというか、まともな脚本かなとは思う。ギルさんが書いてるように、このところの脚本の酷さは目に余るものがあったし。
だから、久しぶりにまともな脚本だったってのと、日本人受けする夫婦関係だったってのがダブルで相乗効果になって視聴率に結びついたんじゃないかな。
ちりとてちんは、アクティブなヒロインだったからゲゲゲほど年配者受けしなかったんだと思う。竜馬とゲゲゲが同時に当たるってのが、日本の実情を表してるよね、ホント。
でも、福山竜馬はわたしも好きだけどね(笑)
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確かにゲゲゲは「おしん」をマイルドにした感じはありますね。
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>よ!さん
そんなに脚本良くなかったんだ、朝ドラ(苦笑)
ちりとてちんは、仲の良い俳優さんが出ていたのでちょこちょこチェックしてたの。
なかなか面白かったけど、数字はそれほどでもなかったのかな?
ただ、うちの親世代(昭和ひとけた世代)が夢中になっているというのは、
やっぱりどこか懐古主義があるからだと思う。
ドラマなんてもう全く見なくなったからね、うちの父親。
あの層を取り込んだことが視聴率に繋がったのかなと思うのよね。
あとは向井理人気かな(笑)
竜馬ブームも福山人気でしょ?
だって、これまで竜馬竜馬って言ってたのは男性ばっかりだったのに、
にわかに女性ファンが増えたのはそれしか考えられない。
あなたみたいに(爆)
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>のびたろうさん
おしん、流行りましたね、昔(遠い目)
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懐古的な見方もあるでしょうが、私が贔屓にしている真珠商が言うには
「ゲゲゲ~の良いところは人生のしょっぱい部分も書いているところ。自分も修行を積んで独り立ちし、店を構えてウン十年たつけれど、6割近くの仲間は廃業・転業をしていった。せざるを得なかった。」
水木さん自身も血のにじむような努力の末、赤貧に耐えて、ご存命中に脚光を浴びることができた。その陰には筆を折るものがいたり、廃業する出版社ありと、暗い部分も描かれていてそれに共感する世代の人口が多いからだと思いますよ。
個人的には「古き良き時代の「女房」を演じた松下奈緒はすばらしい!視聴率が良かったのも彼女のおかげ!」に持って行きたいのかなと思いました。
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Yumiさん、初めまして。
いつもブログを楽しく拝読しています。
先ほどの投稿は推敲も碌にせずに誤って投稿ボタンをクリックしてしまいました。
不適切な表現やYumiさんが不愉快に思われた部分があれば削除してください。
よろしくお願いします。
そして失礼しました。
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>sakurabluesさん
>水木さん自身も血のにじむような努力の末、
>赤貧に耐えて、ご存命中に脚光を浴びることができた。
>その陰には筆を折るものがいたり、廃業する出版社ありと、
>暗い部分も描かれていてそれに共感する世代の人口が多い
これには非常に共感します。
戦中戦後の大変な時期を生き抜いてきた人の強さや、
厳しい業界の背景なども見る人の支持を得たのだろうと思います。
年配の人たちのさまざまな思いと、旬のイケ面俳優を起用した今時の好判断(笑)が、
老若男女を取りこんだ大きなブームに繋がったのでしょうね。
不愉快だなんてとんでもないです。
貴重なご意見、興味深いお話をありがとうございます(‐^▽^‐)