イングリッシュブートキャンプ:由美です。

今回はリエゾンについてのお話ですが、覚えておられるでしょうかこの「シャラップ事件」

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シャラップはNGワードです

以前、どこぞの大使が、公式の場で罵声語を口にして、大変なことになりました。
その方の名誉のため(?)名前は伏せますが、外交官にはあるまじき言葉を吐いて、
大ひんしゅくを買ってしまいました。
このところ、日本人政治家の失言で日本人の国際感覚が疑われ、品位が損なわれるという、
大変国益を損じるような悲しい出来事が、頻発していますが、
政治家に限らず、官僚もこのざまかぁ・・・と、肩を落としている人も少なくないでしょう。

さて、このNGワードの“Shut up”ですが、これがダメな理由は三つあります。

一つは、意味的に通じていないという、英語力そのものの問題。

Shut up は、うるさい、黙れ、という意味です。
で、U大使がこの言葉を吐いた時、うるさい状況ではなかったんです。
いわゆる失笑、呆れてクスクス笑われたんですね、この方。
そこで、”Shut up!”は、おかしい。

もう一つは、このフレーズは罵声語なんですね。
「うるさい!」ではなく、「ごちゃごちゃうるせえんだよ、黙りやがれこの野郎!」
くらいの、強い言葉です。
関東の言葉で、これにピッタリくる訳を思いつかないのですが、関西弁だと、
ドンピシャな訳があります。

じゃかあしいわ!

これが一番しっくりきますね。
あ、関東の言葉だと「うっせーんだよ」くらいかな。

想像してみてください。
欧米の官僚がいきなり、「じゃかあしんじゃ、黙れ!」と怒鳴ったら、どうなりますか?
最初は驚き、だんだん腹が立ち、そのうち呆れはてますよね。
それほど、このフレーズはインパクトがあります。

あと、もうひとつ。

発音の問題です。

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Tフラップ(破裂しないT)の威力

なぜか日本人は、“Get up.”と“Shut up.”は、やたらと発音が良いんですよ(笑)
これだけはみなさんとてもナチュラルに流暢に、「ゲラップ」「シャラップ」と発音されます。
Tの発音で、ポイントとなってくるのが、Flap Tです。
フラップとは、本来破裂音であるTの音が弱く発音され、ラとかダみたいになる現象です。
たとえば、water は、ウォーターではなく、ワラ(ダ)みたいに聞こえますよね?
あれがフラップです。

get up は、ゲットアップではなく、Tとそれに続く母音のUが繋がることで、フラップになり、
ゲラップとなります。
同じく、shut up も、シャットアップではなく、シャラップとなる。
この法則は、Tで終わる単語に母音が続くパターン、全てにあてはまるんです。
なのになぜか、shut up はシャラップと言うのに、shut out はシャットアウトと、
日本人は発音してしまうんです。
シャットアウトではなく、シャラウッにならないといけません。

この二つのフレーズだけは、フラップで言う人がほとんどです。
中学でそう教えるのでしょうか。
ゲラップはさておき、シャラップのほうは罵詈雑言な分、妙に発音がいいと逆に最悪です。
だからこそ、十分に気をつけなくてはいけません。

シャラップ事件は、色んな意味で日本人の英語と、それに伴う国際感覚について、
考えさせられる事件でした。

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Tフラップだけではない、英語のリエゾン・リダクションルール

発音は言語習得の基本です。
個々の音だけでなく、音の繋がり(リエゾン)や脱落(リダクション)といった仕組みを、
きちんと理解していないと、ナチュラルな英語は聞き取れません。

シャラップは知ってるけど、shut outはシャットアウトと思っている、なんてことないですか?
まずは発音のルールを、きちんとやり直しましょう。

『Yumiの脱カタカナ英語マニュアル』は、英語の基本発声である喉の開き方から、
リエゾンやリダクションまで、段階を踏みながら習得できるように、まとめられています。

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