昨日に引き続き、ジオス経営破綻のお話をしたいと思います。
私は滅多にテレビを見ないのですが、
今朝「とくダネ!」でジオスの記者会見の様子が流れていました。
負債額は75億、300以上あるスクールのうち99校がクローズし、
残りをあのGコミュニケーションが救済するということでした。
関係者の会見では、深々と頭を下げて謝罪したのち、経営破たんに至った理由として、
NOVAの倒産による業界への不信感や、景気低迷による英会話業界の縮小を上げていました。
自社がダメになったのは他社のせいだと、こういう会見の場で言うのはいかがなものでしょう?
ジオスだけではなく、今の大手英会話スクールはみな同じ危機にさらされています。
理由は単純明快です。
スクールの数が多すぎるからです。
考えてもみてください。全国に300も400も、スクール(支店)は必要ですか?
まるでコンビニです。
ちょっと話はズレますが、今、日本の歯科医師の平均年収をご存知ですか?
年収400万円に満たない歯科医師がごまんといるという事実を知っていますか?
理由は同じです。歯科医師の数が増えすぎたためです。
まるでコンビニのように、ワンブロックに1軒の割合で林立する歯科医院。
けれども患者の数は有限なわけで、歯科医師は患者獲得に追われることになります。
英会話スクールも同じです。
各沿線、3駅おきにスクールがあるというのでは、地域の生徒を取りあうことになります。
これもNOVAの駅前留学というイメージ戦略の負の遺産なのでしょう。
そもそも、スクールを一つ開校するということは、大きなリスクがあります。
まず、家賃、光熱費、人件費などがかかってきます。
ほとんどの大手英会話スクールは独立採算制をとっていますから、
たとえばA校ならA校のスクールマネージャーが、毎月赤字にならないよう数字をキープする。
家賃に光熱費、そこにスタッフや講師の給料を足して、毎月数百万円のコストを
なんとか上回るだけの売り上げをはじき出さなくてはなりません。
これはもう無茶としか言いようがありません。
そこで、毎日深夜に及ぶミーティングが繰り返されます。
もうすぐ契約が切れそうな生徒をあぶりだし、あの手この手で営業をかけるわけです。
とにかく今月の売り上げを達成しなくてはいけませんから、
まだ翌々月までレッスン数の残っている生徒にも次の更新をしてもらうわけです。
けれども、生徒にしてみればまだレッスンは2ヶ月以上も残っているし、
そもそもこのレッスンを契約したのはわずか3か月ほど前のことだし、
ちょっと考えさせてください・・・となります。
そこで講師の出番です。
大抵の場合、ここは日本語のできる日本人ヘッドティーチャ―の任務となります。
カウンセリングと称して、あなたはリスニングはだいぶ慣れてきたけど、
まだまだフルエンシーが弱いですね、だからこれこれしかじかのレッスンを重ねればさらに・・・
といった風に、先生から言われると生徒もなるほどなぁと思ってしまうわけです。
あとは、比較的上級レベルの生徒には、外国人講師からさりげに
「Kyoko、この先もレッスン続けるよね?」
「そういえばもう君のレッスンもあと10回を切ったね。
 だいぶ上達してるから、これからも通い続けてね!もっとうまくなるよ」
などとロビーで話しかけるように仕向けます。
そうすることで少しでも更新率を上げるわけです。
ここまでしなくては回らないような経営状況になったのも、
これら大手英会話スクールがあまりに規模が拡大しすぎたせいなのです。
スクールスタッフや講師が信じられないくらいに薄給なのも、
スクールの数が多すぎるために自転車操業を繰り返しているからです。
それでも、自分だけは私腹を肥やしているどこぞの英会話スクールの社長もいますが。
本当に生徒のことを思うのであれば、経営を縮小すべきなのです。
都内に何百校も必要ありません。
主なターミナル、銀座、新宿、渋谷、品川、お茶の水などの駅前と、
都下のメインとなる駅に何校かあればそれで十分です。
そうすれば、まともな講師を雇うこともできます。
これら英会話スクールの講師はほとんどが英語教授法など知らない素人です。
そもそも、日本にいる外国人でTESOLの資格を持っている人は、
英会話学校の講師になどならずに大学で教えています。
なので、英会話スクールはアメリカやオセアニアに採用部署を設け、
現地の新卒の外国人(専門は問いません)をリクルートし、日本に連れてきます。
本当に資格を持ったまともな講師を雇うにはそれなりのギャラが必要です。
どこの世界も同じですが、まともな技術者はギャラも高いのです。
安いお金で高い結果やサービスを得るのは絶対に不可能です。
英会話スクールに支払った授業料の大半が、彼らのギャラではなく
家賃など各スクールの維持費に回されているのです。
それでも追い付かず、つぶれてしまうというのが今の英会話産業の実態なのです。
英語を本気で勉強したいという人へ。
スクール選びは、くれぐれも慎重に。
外国人講師と楽しく英会話、なんて謳い文句に騙されてはいけません。
以上、英会話スクールの実態でした。
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