日本人は、中学高校と6年間、小学校や大学も合わせると10年近く英語を勉強します。それでも、まともにネイティブとコミュニケーションが取れるようなレベルに達する人はごくまれで、大半の人が簡単なメールすら四苦八苦するという現実。これは、日本人が語学に向いていないからではなく、学習方法が間違っているためです。
日本の英語教育は、読むこと(リーディング)と聞くこと(リスニング)を中心に行われています。かつては文法と長文読解が中心でしたが、押し寄せるコミュニカティブの波に飲み込まれ、昨今では会話表現が大きく取り入れられるようになりました。じゃあ、日本人の会話力はアップしたのかというと、むしろ、低迷したままです。なぜでしょう?どんな田舎の公立中学でもALT(ネイティブの教師)は必ずいる時代です。にもかかわらず、一向に日本人は英語ができるようにならない。
繰り返します。
それは、学習法、もしくは教授法が間違っているからです。
英語はコミュニケーションのツールです。読めるようになって聞き取れるようになれば、確かにTOEICのスコアは上がるでしょう。けれども、TOEIC800点以上あってもまともに会話ができない人を、私はごまんと見てきました。あのテストには、話す能力を査定する機能がありません。リスニングとリーディングという、二つの技能しか求められないのです。当たり前のことですが、頭で理解すること(リスニング力)と、言葉に出して話すこと(スピーキング力)は同じではありません。この二つは、似て非なるものなのです。
思い返してみてください。中学、高校の英語の授業で、生徒であるあなたはいったいどのくらい話す時間があったでしょう。恐らく、ほとんどなかったはずです。オーラルの時間に、5分ないしは10分くらいのペアワークがあったくらいで、それも週に一度か二度だったのではないでしょうか。それが、平均的な日本の公立中高の英語教育なのです。人が試合をしているのを見学するばかりで、週に15分ほどしかラケットを握らせてもらえない。その状態で数年後「はい、じゃあコートに出てダブルスやってちょうだい」と言われてできるでしょうか。
日本の英語教育は、まさにその状態をひたすら繰り返してきているのです。それでは何年、何十年続けたって永遠に英語をマスターすることなどできません。できた人は、個人的に先生につくなりして英語を話す訓練をした人か、それこそ語学の才能が飛び抜けてある人だけでしょう。普通に授業を受けているだけでは、到底上達などするはずがないのです。言葉は使わないと上達しません。それは、実際にラケットを振ってみないとテニスが上手くならないのと同じです。
今、あたなはどんな勉強をしていますか。
TOEIC攻略本を買ってきてひたすら単語を覚えている?
それが100%間違っているとは言いません。たとえば、マネジャー職に就くためには絶対にTOEIC700点以上が必要で、今年中に取らなければ昇進を逃してしまうというのであれば、その勉強法はある意味妥当だと言えるでしょう。けれども、もしあなたが英語をマスターしたいと純粋に思っているのであれば、そんなことをしていても時間と労力の無駄です。たとえスコアは上がったとしても、コミュニケーション能力がアップしたことにはなりません。
そういう遠回りな勉強方法を続ける人があまりに多く、残念でしかたがないのです。
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