日本人には日本人に合った語学の習得法がある。
これは、私が十数年に渡って英語を教えてきて、また数年間外国人に日本語を教えてきて実感したことです。出身国や母国語によって、その人の性質というものが決まってきます。日本語を教えるとひとことで言っても、相手が英語ネイティブの欧米人であるのと、中国人や韓国人といったアジア系の人であるのとでは、アプローチがまったく違ってくるのです。英語も同じです。インド人やブラジル人が英語を学ぶのと、日本人や韓国人が学ぶのとでは随分違う。その現実を無視したやり方を続けるのは極めて非効率であり、お金も時間ももったいないとしか言いようがありません。
コミュニカティブメソッドというものがあります。これは英語教授法の分野においてもっとも支持されているティーチングメソッドと言っていいでしょう。これまでのパターンプラクティス(つまり、ドリル演習ですね)中心のメソッドではなく、シチュエーションを組み、その中でペア演習をしたりグループ演習をする。母国語を介さず英語で英語を学ぶ。この方法論は日本の教育現場でも取り入れられつつあります。
多くの英会話スクールがこのメソッドを導入しています。ネイティブ講師だけのレッスンで売っているところもありますし、日本人講師が初級者を担当するスクールもあります。いずれにせよ、コミュニカティブメソッドという点では同じアプローチです。この教授法それ自体は間違っているわけではありません。ただ、前述の通り(またこれまで私が書いてた記事を読んでいただければおわかりかと思いますが)、日本人が得意とする視覚的要素や暗記力といった部分を全く取り入れない方法というのは、もったいないのではないかということです。
インプットもないまま、ネイティブ講師がWhat do you think?なんてやるのはナンセンスです。そもそも、日本人はWhat do you think?と聞かれて答えるというような教育を受けてきていません。自分の頭でものを考えプレゼンテーションする、いわゆるクリティカルシンキングという概念はアメリカでは非常に強く、小さいうちから徹底してたたきこまれます。だからこそディベートの文化も生れたわけです。けれども日本は違います。クリティカル(批判的)に考えなさい、というのが欧米の文化であるとすると、日本はクリティカルに考えてはいけない、という教育を施しています。
なのにいきなり対象が英語になったからといって、さあ考えなさい、意見を言いなさい、と言われてもそれはどだい無理なお話なのです。まだスキー板を履いたばかりの状態で、さあここからジャンプしなさいと言われているようなもので、習うより慣れろと思いきって飛んだりしようものならそれこそ骨折、下手すると命を落としかねません。そんな乱暴なやり方では上手くなるものもならなくなってしまうばかりか、一度体験した恐怖がトラウマとなってモチベーションまで下がってしまうでしょう。
日本人には日本人に適した学習法がある。それを無視した教材やスクールがあまりに多すぎます。あなたは今どのような学習の仕方をしていますか?一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
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