ベッシーこと、イギリス国王クイーン・エリザベス2世が、53年ぶりに国連総会で演説をしました。

日本人が大きく勘違いしていることの代表格に、
イギリス英語=クイーンズイングリッシュ、というのがあります。
これは、日本語=お公家言葉(または古い京言葉)と言っているのと同じで、
事実とはまったく違うのです。
イギリス英語は、地方方言と階級言葉の2つが入り組んだ、複雑な言語です。
クイーンズは、言葉通り貴族階級の人間が話す言葉を指します。
BBCなどの標準イギリス英語は、RP(received pronunciation)と呼ばれます。
一般に、知識階級は大学に進学する頃にこのRPを話すようになります。
これが、日本人が思っているイギリス英語に一番近いでしょう。
サッカー選手のデイヴィッド・ベッカムが話すロンドンの下町言葉(コックニー)と
ベッシーの英語を比べてみるとその違いがよくわかるでしょう。
昔のインタビューを掘り起こしてきたのは、最近のベッカムは世界で活躍するようになり、
またアメリカに住んだことで、訛りがかなりマイルドになったからです。
コテコテのコックニーを話していた時代の映像を探してきました(笑)

さて、どうでしょうか。
コックニーというと、思い出すのは日本で多大な人気を誇る今は亡き女優、
オードリー・ヘップバーンが主演した『My Fair Lady』ですね。
このベッカムのインタビューでもわかるように、コックニーは母音に特徴があります。
ベッカムは、“paper”のことをパイパー、“game”のことをガイムと発音しています。
つまり、二重母音の“a(ei)”が全て“a(ai)”になってしまうんですね。
マイ・フェア・レディーでも、オードリー演じる下町少女イライザは、
この母音の矯正に苦労します。
ヒギンズ教授が彼女に言わせた文章も有名ですね。
The rain in Spain stays mainly in the plain.
という、二重母音の[ei]の訓練です。
この映画、年長のインテリ男性が若い無教養な女の子を自分色に育てる、
という悪趣味な感じがして私はあまり好きにはなれないのですが、
英語学的には非常に興味深い内容です。
ちなみに、“My Fair Lady”は“Mayfair Lady”をコックニー訛りで発音したもので、
メイフェアとは、ロンドンの高級住宅地です。
この地域にいる人たちは、中上流階級の人たちなので当然下町言葉のコックニーは話しません。
それをもじったタイトルだからこそ、面白いんですね。
以上、国王のスピーチにはまったく触れずに終わります(笑)
っていうか、全部書き起こそうかと思いましたが、長くてめんどくさいのでやめました。
すいませんね~あせる
ダウンいろんな英語があるんだなぁと思った人はこちら音譜
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