このところよく行く下北沢のカフェ、スローコメディファクトリー(通称スロコメ)にて、
パペポTVナイトというイベントがありました。
Life is beautiful
パペポTVとは、80年代終わりごろ関西の深夜枠で放送されていた伝説のトーク番組です。
上岡龍太郎と、笑福亭鶴瓶の2人が台本なしでゆるゆるとトークをする。
今ではバラエティーで結構普通に見られるパターンですが、当時は画期的でした。
その貴重な映像を保存しているという方が、みんなでパペポを見る会というイベントを企画しました。
集まったのは全員関西人(笑)
懐かしの映像を見ながらふと気が付いたのです。
上岡龍太郎が、まるで自宅にでもいるかのようにタバコを吸いながら話をしていることに。
Life is beautiful
今では考えられないですが、20年前はタレントが喫煙する姿をテレビで流すというのが、
当たり前のようにあったことなんですね。
この番組は私も大好きでリアルタイムで見ていましたが、
当時は別になんら違和感を感じることがありませんでした。
でも、今はものすごい違和感があるんですね。
さほどに、喫煙に対する世の中の見方が変わったということでしょう。
もうすぐタバコが値上げされますが、私は個人的には1箱1,000円くらいにすればいいと思っています。
先進国でこれほどタバコの値段が安いのは日本くらいなものだからです。
神奈川県は喫煙が禁止になりましたが、東京もそうなるべきだと思っています。
ところで、喫煙というと思いだすのが、かつて働いていた外資系出版社でのエピソードです。
当時、ある英語教材の著者が、エディターからダメ出しを食らいかなりオカンムリでした。
ダメ出しされたのは、ある文法を使った例文に、喫煙を取り上げたことが原因でした。
例文は確か、Would you mind ~ ? という構文だったと思います。
著者が書いた例文は、
Would you mind my smoking?
でした。
Would you mind if I smoke?
だったかもしれません。
とにかく、喫煙を扱っていたことは確かで、そこでNGとなったんですね。
書籍とはいっても、種類は色々あります。
小説などと違い、学術関係の本である以上、そういったことに敏感であるべきなのです。
ただ、著者からすると、「あれはダメ、これはダメ」とダメなことが多すぎて、
イライラするのは事実でしょう。
北米は、特にPCに関してうるさいのです。
PCとは、Political Correctnessの略で、政治や宗教、性などに関して差別的な話題や言葉を避ける、
という先進国におけるひとつのスタンダードです。
これは、日本ではまだまだ浸透していないように思います。
タバコは有害です。
その有害な行為を容認するかのような誤解を生みかねない表現を、仮にも教材には使えない。
エディターは、PCを考慮してダメ出ししたのです。
PCという概念の根底にあるのは、マイノリティー(少数派、弱者)の立場になって考えよう、
という人権意識です。
たとえば、世の中でマジョリティーまたは強者の側にいる人たちは誰か。
それは、民族で言うと白人であり、キリスト教文化であり、健常者であり、
性別で言うと男性であり、そしてヘテロセクシュアル(異性愛者)です。
けれども、世の中には有色人種もいるし、イスラム教徒もいるし、障害を持つ人もいます。
また、女性もいればホモセクシュアル(同性愛者)もいます。
そういった人たちの立場を考えず、マジョリティーである自分たち中心に世界が回っているかのような、
そういう発言は差別につながるのでやめましょう、ということですね。
そこから発展して、公的場で発言する前に大丈夫な内容かどうか、
PCはそれを判断する一種の基準のようなものになっています。
この考え方自体は、良いことだと思うのですが、一歩間違えると行きすぎてしまいます。
特にアメリカを見ていると感じるのですが、たとえば、handicappedという言葉のかわりに、
physically challengedという言い方をしようとか、
waiter、waitressというかわりに、serverと言おうとか、
そこまでする必要があるのか、と思ってしまいます。
stewardessという言葉が差別的だというので、
flight attendantと呼ばれるようになって、もうずい分経ちます。
日本でも、スチュワーデスという言い方はなくなりつつありますね。
stewardessには、元々「豚小屋の女主人」という意味があり、
また、日本と違って欧米先進国では客室乗務員の地位はウェイトレスと変わらない。
早い話が、college degree(大卒の資格)がなくてもなれる職業で、
賃金もそれほど高くないということもあり、イメージを上げるために
呼び名が変わったといういきさつがあります。
実際のところ、誰も飲食店の店員に対し“server”などという呼び方はしませんが、
最近の英語教材からは“waiter”や“waitress”という単語は消えました。
私からすると、serverのほうがなんだかservantみたいで嫌ですけどね。
日本の政治家やタレントを見ていると、PCの意識があまりに低すぎると感じることが多いのですが、
北米は逆に気にしすぎるように思います。
足して2で割るとちょうどいいかもしれませんね。
ダウン日本の政治家や経営者はもう少しPCを意識すべきと思う人はこちら音譜
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