以前にもお話しましたが、英語(全ての言語)には、
receptive skillsとproductive skillsがあります。
receptive skillsとは、受動的な技能のことで、4技能のうち“聞く”、“読む”能力を言います。
productive skillsとは、アウトプット技能のことで、“話す”、“書く”能力のことを指します。
よく、読み書き、という言い方をしますが、読むのと書くのは真逆の技能なので一緒にはできません。
リスニング&リーディング、スピーキング&ライディングと分けるのが正しいのです。
日本人は読むのは得意だけれどリスニングが弱い、というのは幻想だと私は思っています。
なぜなら、読むのが得意であれば絶対にリスニングもできるはずだからです。
辞書を片手に格闘すれば何とか専門的な論文も読める、というのは、
読むのが得意ということにはなりません。
読むのが得意な人は、辞書などなくても前後の文脈で意味を把握することができます。
また、専門用語は母国語でも知らない場合があるのであって、
そのこととfluencyは関係がありません。
成人が外国語を学習する場合、ある日突然飛躍的に伸びたりすることはないわけで、
段階的に、徐々に力が付いていきます。
その際、まずはreceptive skillsから伸びていき、productive skillsは後からついてくるのが普通です。
普通と書いたのは、中には超人的な語学センスの持ち主がいたりするからです。
実際に、学生時代にそういう人が数名いました。
そういう人は、一日に10時間以上外国語を聞き、読み、単語帳を作って持ち歩き、
ほとんどネイティブのような発音を体得し、第2外国語のネイティブ講師から
「君は帰国子女か?」と言われたりする、そういう人たちです。
今、簡単に書きましたが、1日に10時間以上何かを集中してやるなんてこと自体、
凡人にはまずできかねることであり、そういう人を基準にした学習法を真似ようとしても、
挫折するのは目に見えています。
話は逸れましたが、何が言いたいかと言いますと、
読む技能と書く技能は別だということです。
むしろ、読む技能と関連しているのは、聞く技能なのです。
日本人はなぜか“読み書き”という概念が強いため、
読むことでリスニング力がアップするなんて信じられない、という人もいますが、
Extensive reading(多読)にはリスニングアップ効果があるのです。
とにかく、読んで読んで読みまくる。
聞いて聞いて聞きまくる。
この学習法は間違ってはいません。
けれども、これだけだとproductive skillsのほうが置いてけぼりを食ってしまいます。
いくら聞けても話せるようにはなりません。
「聞けるけれど、言えない」という状況はあり得ますが、その逆はまずありません。
つまり、「言えるけれど聞けない」ということはあり得ないのです。
ネイティブと同じナチュラルスピードで言えるフレーズは、必ず聞き取れます。
語学を学習するうえで、初期段階はインプットが大事です。
なので、まずは聞く量と読む量を増やすこと。
これは必須です。
けれども、同時に聞いたフレーズをそのまま同じように言う訓練をすることが重要です。
昔は“音読”と言われていました。
中高の英語の先生が、「Repeat after me」と言いながら、リーダーを読み、
生徒について読ませていたのはそれが目的です。
ただ、いたずらに読んでも効果はないので、
クラス全員が教師の後をただ棒読みするだけの“音読”には意味はないと思いますが。
効果的なのは、ネイティブの音を聞き、それを一言一句真似して見る。
そして、自分の声を録音して、モデルとどう違うのか比べてみる。
何度も繰り返し練習し、モデルと同じところまで近づけるようにする。
ここまですることで、productive skillsを伸ばすことができます。
聞けるけれど話せない、または話すのが苦手、という人は、
まずは音読から始めてください。
興味のある分野のものを手にすることをおススメします。
小説が苦にならない人であれば、graded readersがおススメ。
付属のCDを聞きながら一緒に読む練習をするといいでしょう。
上級者であれば、海外ドラマなんかも良いと思います。
私がよくやったのは、
English Journalのセレブのインタビューを繰り返し声に出して練習する
洋学を歌詞カードなしで歌えるくらいまで歌い込む
海外ドラマの好きなキャラの台詞を空で言えるまで練習する
というものでした。
音楽やドラマ、映画に興味がないという人は、ちょっと損かもしれません。
私の経験上、語学(英語)が得意な人は、ほとんどみな洋学、映画ファンです。
これが、語学上達の近道のひとつであることに間違いはないと、個人的に感じています。
興味のないものを今から好きになれ、と言っても難しいと思います。
人の好みや趣味はそうそう変えられるものではないからです。
なので、興味のある分野からスタートしましょう。
経済や時事に興味のある人はニュース英語を、
スポーツが好きな人はスポーツ番組やアスリートのインタビューを、
サイエンス、テクノロジー系が専門の人は、その手の有名人のレクチャーなどを
何度も聞きこんで、自分も真似する練習をするといいでしょう。
とっつきやすいところから始めるのが吉です。
Good luck!!!
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聞く能力と話す能力は別である
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English Journal のインタビューを素材にしましたか!
あれは相当速いですよね(人によるけど)。
海外ドラマの好きなキャラの台詞を空で言えるまで練習する、
ってのは僕もやりましたよ。僕は独りだけやると待ち時間が勿体なかったんで
前登場人物をやりましたが(汗)
で、この台詞のヤツ、是非、8/10に実演してください!
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You must be a hot-shot Engrish teacher.I was so grad to read your komment. And I read those your current airticles. They help me a lot.
Good luck your English camp !
最後まで英語で通したいですが、PCは打ち込むのに時間がかかるのでここまでに(笑)
音読は本当、有効ですよね。テスト対策で実感しました。「月間アルク」でラスト一ヶ月なら単語強化がおすすめとありました。単語集を二週間で一回終わるように割り振りし、一日分終わったら、前日分を復習するので、同じ単語に最低四回触れる事になるというやり方でした。私の単語集は文章で覚えるタイプで、結局1000文位毎日読む羽目に。何とか合格したい一心でやり遂げました。スコアもかなり上がりましたが、しばらく休んでいたら結構忘れてしまい(泣)またやる気も復活してきたので英語漬けに戻ろうとしています。「グレイズアナトミー」が早く安く借りられるようにならないかな、と思いつつ、「CSI」も結構楽しいのでとりあえずそっち見とくか、と揺れながら、今のところはNHK教育番組の「ドラマチック地球大紀行」とTV放映中のCSI、洋画で過ごしています。
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>究極の音読 コピーイング@てんまさん
English Journalは、89年あたりはずっと購読していたので、
実家に帰ればまだ当時のテープ(テープってとこが泣かせますが)があると思います。
いくつかあるインタビューの中で、比較的癖のない、とっつきやすいものだけやりました。
あとは、私は基本ミーハーなので、この人が好き!ってスターのインタビューは苦になりませんでしたね(笑)
海外ドラマ、当時は本当に空で言えるくらいまで練習しましたが、今はすっかり忘れました。
覚えているとこだけ実演しますわ(苦笑)
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>Gen-chan
Hi there! Thanks for coming back.
I'm not sure if my blog will be much help to you, but I hope you can pick up some of study tips.
どうも~毎日暑いですね。
海外ドラマ、4月にアメリカに行ったんですが、CSIが放送されていたので毎日見ていました。
1話完結なのがいいですね。
昔は大のドラマ好きだった私ですが、最近は連続ものが辛くなってきて・・・
でも、Heroesはシーズン1だけ見ました。
久しぶりに、何かドラマが見たくなってきましたよ。