私が留学したのは、まだ80年代でした。
日本はバブルまっただ中でした。
いまや、日本のインフラは世界一だと私は思っていますが、あの頃の日本は、ソフト面だけでなくハード面でも、
まだまだアメリカより遥かに遅れていたように思います。
たとえば、宅配ピザなどは、私はアメリカで初めて経験しました。
実際、ドミノ・ピザが東京に上陸したのは85年、そこから一般化するまでには数年かかったはずです。
また、コンピューターも、アメリカで初めて実際に使うという体験をしました。
日本でPC(Eメール)の普及が遅れたのは、ファックスの存在が大きいと聞いたことがあります。
アメリカにおいて、ファックスは大企業のオフィスにはあっても、一般家庭にはまずありませんでした。
80年代、日本の一般家庭には既にファックス電話が普及しており、
遠距離通話より安くあがるファックスはかなり重宝されていました。
そのせいで、メールの必要性があまり感じられなかったんですね。
まあ、そんなわけでインフラ面でアメリカに遅れていた日本でしたが、
ネット環境に関しては、90年代後半あたりから一気に追い上げ、今は追い越した感がありますね。
ビジネスホテルですら無料インターネットアクセスがあるのは、世界広しといえども日本くらいなものです。
ところで、私がアメリカに住んで経験した、カルチャーショックを5つを挙げるとしたら、次のようになります。
1.ナイフをめったに使わない
2.親のしつけがとても厳しい
3.出かける前に必ずシャワーを浴びる
4.女性は、脚の無駄下処理をする
5.紙おむつをキッチンのごみ箱に捨てる
スモーカーの肩身が狭いとか、アルコールに対する扱いがシビアだとか、
そういったことは既に知識として知っていたので、
実際に目の当たりにしてもたいして驚きはしませんでした。
ああ、なるほど、やっぱりね・・・と思ったくらいでしたが、
上記の5つは、思いもかけないことだったので、かなり驚いたのです。
テーブルマナーですが、アメリカ人はほとんどの食事をフォークだけで済ませようとします。
ミートローフもフォークで切って食べますし、なんでもかんでもフォーク。
ステーキはさすがにナイフでないと切れないのでナイフとフォークを使いますが、
それ以外はほぼ全てをフォークだけ(つまり片手)で食べます。
西洋式食事=ナイフとフォーク、と思い込んでいた私は、ちょっと意外で驚いたのです。
しつけに関しても、やはり厳しいとは聞いていましたが、ここまで厳しいのかと驚きました。
15歳になるまで、子供は親の言うことにほぼ絶対服従です。
部屋のドアも就寝時以外は必ず空けてありますし、まず、鍵自体がありません。
テレビは親の監視が行き届く居間にしかありませんし、見る時間も制限されています。
夜は8時を過ぎると寝るしたくをし、9時には寝るのが普通。
また、親に対して無礼な口のききかたをするなどということも、ありえません。
子供が思春期になると親が気を使ったりする、日本の中産階級家庭とは雲泥の差です。
ゲストにたいして失礼な態度を取ると、たとえ幼児であっても厳しくしかり、
謝るまで決して許してもらえません。
まだ幼稚園にも行かないような小さな子供でも、です。これには驚きました。
3と4ですが、身だしなみに関しては、日本は20年遅れくらいでアメリカに追いついた感じがします。
朝起きて出かける前に必ずシャワーを浴びる、というのは私の世代ではまずなかったことです。
今やどこの家庭にも当たり前にあるシャワーですが、昭和の日本はそうではありませんでした。
物ごころついた頃から当たり前のように携帯電話があり、洋式トイレ、シャワーの生活をしている、
若い人には信じられないことかもしれませんが、日本に今のようなインフラが整備されはじめたのは、
たかだか20年ほど前のことなのです。
70年代の日本と80年代半ば以降の日本では、もう別の国と言っても過言ではありません。
私が驚いたのは、朝だけでなく、夕方仕事や大学から帰宅後、出かける前にも必ずシャワーを浴びることです。
たとえ、真冬であっても、です。
石油ストーブとこたつで寒い冬をしのいでいた時代の日本です。
朝から風呂場に行くと芯から冷え切ってしまうほど寒く、風邪を引いてしまいます。
セントラルヒーティングがあたりまえで、外は零下でも室内は20度というアメリカの住宅事情ならではの、
24時間いつでもシャワー、だったのですね。
脚の無駄毛処理は、今でこそ日本人女子も敏感になりましたが、
昔は手入れをしている人はほとんどいませんでした。少なくとも一般人では。
なので、産毛が生え放題だったわけです(男性諸君、幻滅させる話題でごめんなさい 笑)。
私が、ええっ、脚まで剃るの・・・?と思ったのは言うまでもありません。
けれども、処理しないとルームメイトに笑われたので、豪に入れば郷に従えで、私も真似するようになりました。
今では、日本人も手足の無駄毛処理は当たり前になりましたね。
上記の中で最も衝撃だったのが、紙おむつの存在です。
日本はかつては布おむつが一般的でした。
というか、紙おむつはパンパースが出てくるまでなかったように思います。
そして、使い捨ておむつが完全に浸透したのがやはり80年代半ばくらいでした。
で、アメリカ人はこの使い捨て紙おむつを、平気でその辺のごみ箱にすてるわけです。
赤ちゃんとはいえ、おしっこやうんちまみれのおむつを、そのままポイッとキッチンにあるごみ箱に捨てる。
食べるものを捨てるところに、一緒に排泄物を捨てるという感覚は日本人の私からは信じられませんでした。
いったい、どういう衛星感覚なんだろうと衝撃を受けましたね。
同じような感じで、スニーカーを洗濯機で洗ったりするんですね。
これもビックリでした。
なんとアバウトなのだろうと(^^ゞ
以上、私が受けたカルチャーショックトップ5でした。
ちなみに、コンピューターの授業で私が犯したアホみたいなミスがあります。
それは、ログインする時のパスワードを勘違いしていたためにログインできなかった、というものなんですが、
ログインパスワードはとてもシンプルに“microsoft”と設定されていました。
いくら打ちこんでもログインできない・・・なぜだろう・・・壊れてるのかな?と、担当講師を呼ぶと、
とりあえずもう一度ログインしてみて、と言うのでキーボードを打ってみたら、
ちょい待ち!!と激しく止められました。
なんと、私はmicrosoftと打つべきところを、microwaveとタイプしていたのでした。
今でこそ知らない人などいない、microsoftという名前ですが、
80年代の一般的な日本人にとっては耳にしたことなどない名前です。
てっきりmicrowaveだとばかり、勘違いしてしまったんですねぇ(言い訳)
あれから20余年、まさかここまでmicrosoft社に頼ることになろうとは、想像もできませんでした。
日本はこの20年くらいで何もかもがドラスティックに変わったように思います。
この先20年後はどうなっているのでしょうね。
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