英語を学ぶ上で日本人が苦手とするとよく言われるのが、単数・複数の概念です。
日本語には「単数・複数の概念」というものがありません。
いやいやそんなことはない、日本語にだって「うちは三人兄弟です」とか、
「こないだ子犬が産まれてね、3匹いるんだけど1匹引き取ってくれない?」
というように、ちゃんと数の概念はある!と言う人もいるでしょう(いないか 笑)
もちろん数の概念はあります。
それはおそらくどの言語にもあるはずです。
そうではなくて、「この名詞は数えられる名詞」だというような概念がないということです。
つまりは、“冠詞”というものが日本語には存在しないということですね。
フランス語などのヨーロッパ言語もそうですが、
名詞と冠詞(a, the)はアダムとイブのように切っても切れない関係です。
腐れ縁とでも言いましょうか。
この冠詞というものが日本語にはないために、私たちは苦労させられる羽目になります。
I have a question.
というシンプルな1文で、質問したいことが1つだいうのがわかります。
もしも2つ以上質問があるのであれば、
“I have some questions”というように複数になるからです。
これが日本語だと、「質問があるんですが」となり、
その質問が1つだけなのか、2、3あるのか、それともいっぱいあるのかわかりません。
この、まるでストーカーのように常に名詞に付きまとっている冠詞というものが、
私たち日本人を苦しめているという点は見逃せません。
I’m a student.
という極めて基本的なフレーズでさえ、多くの日本人はまともに言うことができません。
大抵の場合、“I am student.”となり、不定冠詞の“a”を落としてしまいます。
まず、“I am”というようにわざわざ主語の“I”と動詞の“am”を切り離して言うこと自体が、
普通の会話ではめったにありません。
“I am”と書いてあっても話すときは“I’m”となります。
そして、冠詞の“a”は絶対に省略されることはありません。
敢えてカタカナで書くなら、「アイマ(I’m a)」となります。
これが日本人英語だと、「アイ アム」となってしまうんですね。
昔、某大手英会話スクールのCMで、
教師「アイ アム え~と、スチューデント」
生徒「アイ アム え~と、スチューデント」
教師「え~とはいらんよ」
生徒「え~とはいらんよ」
というコメディーみたいなやりとりがありましたが、
まさにあれです。
「アイマ」となるところが、「アイ アム」で区切ってしまう。
これぞ典型的な日本人英語ですね。
なぜこういうことになるのかというと、
日本人には冠詞の概念がないために、どれほど「名詞には単数の場合必ず“a”がつく」と
教えられても、いつのまにか「私は~です、だからI amで、学生はstudent」
という翻訳が脳内でなされ、口に出すと「アイアム スチューデント」になってしまうんですね。
これを断ち切るためには、「アイマ スチューデント」という自然な一文を、
脊髄反射のように口に出せるようになるまで叩きこむしかありません。
では、以下の文章を声に出して言ってみてください。
I’m a student.
I’m a doctor.
I’m an actor.
どうですか?
ちゃんと言えました?
「アイマ スチューデント」
「アイマ ダッター」
「アイマ ナッター」
となるはずです(あえて、カタカナにするならば)。
以前私が英語を教えていた某俳優さんは、自分の職業が言えませんでした。
「I’m an actor.」というのがどうしても言えないのです。
言おうとするといつも、「アイアム アクター」になってしまいました。
「アイマナッター」と聞こえるはずのこの1文が、「アイアム アクター」になるんですね。
彼の頭の中はいつまでも「I am(私は)、actor(俳優)」という図式が消えませんでした。
ではどうすれば言えるようになるのでしょう?
彼は役者でしたので、台詞を覚えるつもりで丸暗記するように指導しました。
最初はかなり苦戦していましたが、数ヶ月ほどでずい分ナチュラルになりました。
元々役者さんなので、こういうことは得意だったというのもあるでしょう。
何度も声に出して繰り返し練習する。
それと、自分の間違いを自分で訂正できるようになること。
「あ、またアイアムって言っちゃった!」と自分で気付いて、
「アイマ」と言い直すことができるようになることは、非常に重要です。
歌を歌っていて、「しまった、今音を外した!」と分かっている人は音痴ではありません。
人に指摘されて「ええ、音外れてた?」という人は、
まずは自分がどこで音を外しているのか、そこから知ることが必要です。
名詞には冠詞がついて回る。
だから名詞を覚える時、それが数えられる名詞なのかどうかチェックする。
musicは数えないけどmovieは数える。
だから、I like music.となり、I like moviesとなる。
こういう基本的な部分は、ひとつひとつ覚えていくしかありません。
そして、それらのフレーズを何十回、何百回と声に出して言っていると、
I like movie.と間違えて言ってしまった時に、
「あれ・・・なんかおかしい。しっくりこないな、なんだろうこの気持ち悪さは」
と、自分で気がつくようになります。
そこで、「ああそうだ、“movie”じゃなくて“movies”だ!」と、
もう一度言いなおすようになり、次からは絶対に間違えないぞ!と気をつけるようになるのです。
この、“自分で気がつく”というのは非常に大切なポイントです。
これができるのとできないのとでは、雲泥の差なんですね。
たとえば、ネイティブ(じゃなくてもいいですが)と話していて、
「I need more five minutes.(あと5分かかるなぁ)」とあなたが言ったとします。
そこで、相手が、「Oh, you need five more minutes? (あと5分かかるの?)」と聞き返してきました。
この時、あなたは間違いに気付くかどうか、ここが運命の分かれ道です。
あ、しまった。“more five minutes”じゃなくて“five more minutes”だった。
うーーー、語順間違っちまったぜ!悔しいっ。次は絶対に間違えないぞぉ~(>_<) と思えるかどうか、ということなんですね。 こういう小さな気付きができるかどうか、語学上達において非常に重要な意味があります。 では、そうやって気付けるようになるにはどうすればいいのでしょう。 それは、数をこなすしかありません。 ブートキャンプでは、会話に必要なフレーズを、何度も声に出します。 1週間のうちに、何百回と繰り返して言うことになります。 初日はみなさんへとへとになりますが、3日目あたりから慣れてきます。 そして、初めは「アイアム スチューデント」と言っていた人も、 中日を過ぎたあたりから「アイマ スチューデント」と言えるようになります。 多くの方が、言い間違えたら自分で「しまった!」と気付いて言いなおせるようになります。 そうなるために必要なのは、とにもかくにも口頭練習なんですね。 ひとつのフレーズをナチュラルスピードで言えるようになるためには、 何十回と声に出して練習する以外方法はないのです。 頭ではなく、体で覚える。 スポーツと同じです。 理屈ではなく、感覚を養うことが、スピーキングにおいてはとても大切です。 なかなかスムーズに言えない、 リスニングと比較してスピーキングが弱い、というあなた。 しっかり声に出して練習していますか? 2、3回繰り返しただけで終わらせていませんか? 秋の夜長、ご近所迷惑にならない程度に、声を出して練習して見てください♪(゚▽^*)ノ⌒☆ この記事が役に立ったという人はクリックお願いします音譜

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