以前、英語のスキルには2種類あるというお話をしました。
ひとつは、receptive skills(受け身のスキル)、つまり、listeningとreadingです。
そしてもうひとつが、productive skills(発信するスキル)、speakingとwritingです。
よく、日本人は読み書き、聞く話す、というように括る傾向がありますが、
言語機能においてはその括り方は間違っています。
読む聞く、書く話す、というように括らなくてはいけません。
読んだり聞いたりする技能は、インプットが増えるに従って伸びていくものです。
それに対し、書いたり話したりという技能は、インプットが増えただけでは勝手には伸びません。
アウトプットする訓練を積まなければ、向上しない技能なのです。
初級英語学習者が、まずしなくてはいけないことは、インプットを増やすことです。
それは、語彙だったり文法だったりするわけですが、
その際、読む力と聞く力はある程度比例するので、どちらかが向上すれば、もう一方もついてきます。
そこで、役に立つのが、多読です。
多読は、extensive readingと言われますが、
intensive readingが、ひとつの読み物にじっくり取り組む、
いわゆる高校英語や、受験英語の長文読解のようなものを指すのに対し、
こちらは、とにかく量をたくさん読む、というものです。
多読は、リーディングだけでなく、リスニング力アップにも効果的なのです。
多読に役に立つのが、いわゆるgraded readersと呼ばれる、ペーパーバックです。
これは、各社(洋書出版社)から出されています。
たとえば、Oxford University PressBookwormシリーズ
Pearson LongmanPenguin readers
Cambridge University PressCambride English Readersなど。
各社、それぞれに特徴がありますが、相対的にレベルが高く、難しいと言われているのが、
Cambridge readersです。こちらはすべてオリジナルのストーリー。
レベルはstarterから6までの7レベル。
Oxford Bookwormや、Penguin Readersも同様に、レベルが分かれていますが、
とっつきやすさとしては、こちらのほうが、入り易いかもしれません。
レベル設定も、比較的低めというのもありますし、オリジナルストーリーではなく、
有名なお話(映画やクラシックな小説)を、簡単に書きおろしたものがたくさんあって、
ああ、このお話なら知っている、という風に初心者には、入っていきやすいと思います。
そんなにたくさんあると、何から手をつけていいのかわからない。
という方へ、
本を選ぶポイントは、
-面白そうだ、読んでみたいと思うものを選ぶこと。
-1ページに2、3語以上知らない単語があると、レベルが高すぎるということ。
 妙なプライドは捨てて、1段低いレベルに下げること。
-実際に書店(紀伊国屋などの洋書扱い店)で、手にとって見てみること。
身近に洋書扱い店がない場合は、それぞれの出版社のウェブサイトで、
サンプルチャプターが読めたりするので、それを参考にすると良いと思います。
それから、読み進めるにあたってのポイントですが、
-辞書は引かない。辞書を引かないと、読み進めることができない場合は、レベルがあっていない。
 ひとつ下のレベルに移ること。
-読んでいて面白くないと感じたら、別の本にトライすること。
-あくまでも、楽しみのための読書なので、合わない本に固執せずサクサク変えて
 好きなものを読むこと。
多読、という言葉の意味するとおり、質より量が大事なのです。
とにかく、たくさん読む。
読んで読んで、読みまくる。
1冊読み終えた、という達成感を、たくさん味わうことが大切です。
それが、モチベーションへと繋がるからです。

多読について、こちらのサイトと本が参考になります。
SSSのサイト -多読の第一人者、古川昭夫先生のサイト。参考になるヒントがいっぱい。
多聴多読マガジン -コスモピア社出版の、多読雑誌。こちらもお役立ち情報が満載です。
現在、初級者の方は、スターターやレベル1から、また中級以上の方は、レベル3、4あたりから
選んで読み始めるとよいと思います。
付属のCDを聞きながら、シャドーイングすると、スピーキング力アップにも繋がります。
シャドーイングについては、また別の機会に詳しくお話しします。
以上、多読のススメ、でした。
ダウンなるほど、多読って重要なんだ、と思った方はクリックお願いします音譜
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 英語ブログ 英語学習情報へ
にほんブログ村


スポンサーリンク

関連コンテンツ