英語を勉強するうえで、欠かせないのが発音、フルエンシー(流暢さ)です。
リスニングは、receptive skill(受け身の技能)なので、聞く量を増やせばある程度向上します。
もちろん、ただ聞き流しているだけでは効果はありません。
ちまたに散乱する英語教材の数々。
中には「聞くだけで英語がわかるようになる」などと謳った、
まるで「好きなだけ食べて痩せられるダイエット方法」と変わらないような、
胡散臭いものもあります。
基本的に、言語習得年齢をとうに過ぎた成人学習者が、
ただいたずらに聞き流すだけで英語がわかるようになったり、
あまつさえ口をついて英語が出てくるなんてことは、まずありえません。
リスニング力を上げるためには、語彙と文法が必要です。
日常会話に必要な語彙(イディオムを含む)は、だいたい1,800語と言われています。
それに、基本文法と基本構文を覚え、そこから聞きこむ。
この作業が非常に重要なのです。
そして、音と文字を繋げることです。
たとえば、英語はスペリングと実際の発音が違うというやっかいな性質があります。
例を挙げてみましょう。
It’s going to rain tonight.
これをどう読みますか?
ポイントは、It’s going to の部分です。
ここは、英語ネイティブであれば、ほとんどの人が、It’s gonnaというように発音します。
つまり、It’s と gonnaという2つの単語、2つのシラブル(音節)となるわけです。
It’s going toというように、3つの単語、3つのシラブルだと思っていると、聞き取れません。
また、早口になると、最初の It’sがほとんど聞こえなくなり、
gonnaしか耳に届かない場合もあります。
そうすると、シラブルはたったの1つになります。
文字を見て、3wordsだと頭で認識するのは、リスニングにおいてはよくないのです。
けれども、頭と耳はなかなか繋がってくれません。
そこを繋げてくれるのが、音楽、歌なのです。
元ビートルズのメンバー、George Harrison の Got My Mind Set On Youを見てみましょう。

I got my mind set on you
I got my mind set on you
I got my mind set on you
I got my mind set on you
But it’s going to take money
A whole lot of spending money
It’s going to take plenty of money
To do it right child
It’s going to take time
A whole lot of precious time
It’s going to take patience and time, ummm
To do it, to do it, to do it, to do it, to do it,
To do it right child
I got my mind set on you
I got my mind set on you
I got my mind set on you
I got my mind set on you
And this time I know it’s for real
The feelings that I feel
I know if I put my mind to it
I know that I really can do it
I got my mind set on you, set on you
I got my mind set on you, set on you
歌詞は非常にシンプルですね。
中学英語で十分理解できる内容です。
It’s going to take money (金がかかるんだよ)というところ。
It’s gonna take money というふうに歌っていますね。
同様に、It’s going to take time もやはり、It’s gonna take timeと言っています。
次のフレーズ、A whole lot of precious time(とても貴重な時間が)は、
A whole lotta precious timeというように発音しています。
このように、英語は音が繋がって別の音になるという、リエゾン現象が多いのです。
それに慣れるには、曲とともに一緒に歌うのが一番です。
もしも、余計な音を入れたり、また逆に音が足りなかったりすると、
ちゃんと音符に乗らないために、ずれてメロディーと合わなくなります。
あれ、おかしいな、と何度も口ずさんでリズムに合わせて行くうちに、
自然と英語の発音に馴染んでいきます。
聞き取れるようになったら、次は声に出して一緒に歌う。
そして、最終仕上げとして自分一人で歌う。
これで完璧です。
最近は、昔と違って大抵のカラオケボックスで洋楽が歌えます。
昔は収録曲がとても少なくて、苦労しましたが。今は恵まれています。
洋楽カラオケ、と銘打って、自宅で練習した成果を試してみるといいと思います。
ちなみに、私のカラオケの十八番は、Michael Jackson の Beat itです。
マイケルはキーが高いので、女性の私にはぴったりなのです。
みなさんの十八番は何ですか?
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