ちょっと堅苦しいタイトルになりましたが、それほど難しいお話じゃあございません(笑)
日本人が英語を習得する上でポイントとなる点について、お話をしたいと思います。
ひと通り、言語学の基礎をかじった私ですが、今主流となっているのはいわゆる
“コミュニカティブアプローチ”と呼ばれるものです。
どういうものかというと、一般的に英会話スクールなどでネイティブの講師が教えている、
母国語(日本語)を介さずに英語を理解させるという方法です。
ターゲットとなる文法と語彙を、絵や写真などで解説しながら
モデルとなるダイアローグ(会話)をペアになって練習する。
最後は、それを使って自然な会話ができるようにする。
これがコミュニカティブな英語教授法です。
さて、今の英語業界ではこれが常識となりつつありますが、
この方法論がすべての人に当てはまるかというと、私は大いに疑問があると思っています。
というのも、母国語がどういった系列の言語かということによって、
その人の持つ特性が変わってくるからです。
今の時代、うかつに民族的要素云々とは言えない雰囲気がありますね。
それを言いだすと、すわ、racisimだのethnocentrismだのと攻撃を受けかねません。
けれども、あえて私はそのことに触れたいと思います。
母国語によって、その人の考え方や性質は異なってくると。
日本語はウラル・アルタイ語系と言われていますが、
他には印欧語(ヨーロッパの言語など)系やスラブ系(ロシア語など)などがあります。
たとえば、フランス語を母国語とする人が英語を学ぶ場合、
すでにアルファベットという共通の文字があり、
またラテン語から派生した言語という点で似た単語も多い。文法や語順も大きくは変わりません。
それは、日本語と朝鮮語(韓国語)の文法が似ているのと同じで、
学ぶ上で最初からアドバンテージがあるのです。
つまり、日本語を母国語とする人が英語を学ぶのと、
フランス語を母国語とする人が英語を学ぶのとでは大きく違うわけです。
両者に対して同じアプローチを取るべきかというと、
これはどう考えても違うだろうとしか言いようがないと私は考えます。
また、言語は文化でもあります。
日本人には日本人特有の文化があり、気質があります。
「この世で最も難しいことは、インド人を黙らせることと日本人を喋らせることだ」
という格言がありますが、まさしく、日本人を積極的にしゃべらせることは至難の業なのです。
そういうことを言うと、これまた決めつけだのなんだのとお叱りを受けそうですが、
実際に私は日本人の英語教師をトレーニングしたことがあります。
英語教授法の学会で教員たちの前でプレゼンテーションをしたこともあります。
彼らに対し意見を求めるとみな私から目をそらし、堅く口をつぐんでしまうのです。
嘘のような本当の話です(苦笑)
そんな人たちが中学や高校で教えているわけですから、
生徒に積極的に話せと言っても無理なお話です(苦笑) 
まずは先生からお手本を見せなくてはね。
もはや言い古された感がありますが、日本人は、非常に受け身です。
これは長年教えていてしみじみ感じることです。
こちらが指示しなければ何もしない、いわゆる指示待ち族が大半です。
それは、目立つ者は叩かれる、出る杭は打たれるといった
昔からある日本社会特有の不文律がそうさせているのかもしれません。
自発的に手を挙げて発言するとった行為は、目立ちたがりのレッテルを貼られ排除されかねない。
それに対する心理的なバリアーが、語学習得の上では大きなマイナスになっているのです。
なので、インド人と日本人が同じ教材を使い同じようなメソッドで英語を教わっても、
効果に差が出るのは当然です。
これは極めて非効率的だとしか言いようがありません。
じゃあ、日本人に外国語をマスターするのは難しいのか、ということですが、
そんなことは全くありません。
確かに、日本人はディスカッションやディベートといったアプローチは苦手です。
けれども、与えられた課題に黙々と取り組むということは得意なのです。
また、耳で聴いて暗記することよりも、
目で見て理解してから暗記するということのほうが得意な人が多い。
こういった特性は、語学を学ぶ上で無視できない重要な要素です。
今流行りの、聞き流すだけで英語が話せるようになる、といったようなアプローチは
残念ながら大半の日本人には不向きなのです。
聞き取れるようになるためには、それなりの訓練が必要です。
訓練なしにいくら聞き流してもそれは時間の無駄です。
無駄で済めばいいですが、むしろ逆効果になりかねません。
スポーツでもそうですが、間違ったフォームを指摘されることなく続けてしまうと、
おかしな癖がついてしまって後から矯正するのが難しくなってしまいます。
何となく楽できそうだからといって、安易にそういった誇大広告に騙されないようにしましょう。
とにかく黙れと言ってもしゃべり続けるようなインド人やアラブ人には、
ひたすら聞き流すだけの学習法というのも有効かもしれません。
けれども、コミュニケーション自体が不得意な日本人には、他にもっと有効な学習法があるのです。
それは、地味かもしれませんが、
最低限の語彙と文法事項を暗記し、例文を空で言えるくらいまで口に出して練習する
そういう単純な訓練以外にはありません。
そういった地道な作業を面倒だからと避けていても、
永遠に語学をマスターすることなどできないのです。
今、英語力がTOEIC500点以下のかたへ。
基本英単語集(大体1500語くらい)をまずは暗記し、
基本構文(100構文くらい)をざっと復習します。
そこで、文法の穴を埋めるのです。
そして、好きなテレビドラマや映画(もちろん英語の、です)のDVDを借りてきて、
字幕付きで再生します。
台詞をひたすら口に出して覚えるまで練習してみてください。
それだけで、かなり英語は上達するはずです。
こういった単純作業は、日本人が最も得意とするところなのです。
言語習得には、その人の母国語と民族的特徴が大きく関わってきます。
今回は、そういったお話でした。
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