ちまたにあふれる英語学習法は、ほとんどが上級レベル向けだと言いました。
そんなことはない、自分は決して上級者ではないけれど、そういった学習法で力が付いた。
そういう人も中にはいるでしょう。
もちろん、人それぞれ上達度合いもポテンシャルも違います。
上級向けのやり方でも伸びたという人は、元々の語学センスが非常に高い人だと思います。
自分が、人並み外れて語学センスが高く、頭脳明晰だと自負している方にとっては、
このブログは必要ないかもしれません。
一般論として、初級学習者が英語を習得するのに必要なtipを、ここでは紹介しているつもりです。
さて、ここでまたTOEICについて触れます。
何度も言いますが、私は決してTOEICを否定しているのではありません。
ただ、TOEICの点数を上げるためにこうすればいい、といったテクニックは、
純粋に英語力を付けたい人には必ずしも向いていないということを言いたいだけです。
なぜなら、TOEICで800点以上スコアがあっても、英語が話せない人はごまんといるからです。
ご自身の目的に立ち返ってみてください。
あなたは、TOEICのスコアを上げたいのですか。
それとも英語でコミュニケーションを取れるようになりたいのですか。
これは、非常に重要な問いです。
それから、ブログを参考にする場合も気をつけましょう。
このブログを含め、英語ブログ、英語学習者ブログというのはたくさんあります。
その中で、様々な学習方法や教材紹介などがされていると思いますが、
どれを参考にするか、これは初級学習者にとっては大変リスクが高いと思うのです。
上級者であれば自分で判断がつくので大丈夫だと思いますが、
初級者の場合、やみくもにブログに書かれていることを信用してはいけません。
自分も英語ブログを書いておきながら、こんなことを言うのはなんですが、
ブログに平気で嘘を書く人もいるからです。
嘘、というのは語弊があるかもしれません。
おそらくご本人は真剣に書いているのかもしれませんが、
書いている内容が間違っていたり、英語自体が間違いだらけだったりするのです。
いずれにせよ、それで英語学習法について上から目線で語るのはどうかと思うような、
そういうブログをちらほら見かけるのです。
英語が話せる人は、まず間違いなく文章も書けます。
文章が、ネイティブから見ると不自然だったりした場合、その人の会話力も推して知るべしです。
多くのブログが、英語学習方法についてのヒントを色々書いていますが、
参考にする前に、もし身近に英語ができる(バイリンガルに近い)人がいたら、
その人にそのブログの英語をチェックしてもらいましょう。
バイリンガルやネイティブに近い上級者であれば、ほんの1フレーズを見ただけでも、
大体その人の英語力がわかります。
スペルミスなどはあまり関係ありません。
そうではなく、英語ができる人であれば間違えるはずのない部分や、
不自然な表現というのがあって、それは上級者が見れば一発でわかってしまうのです。
初級者は、その人の英語が正しいのか、きちんと判断できない場合があります。
長い文章を書いているだけで、「この人の英語はスゴイ!」と思ってしまう可能性だってあります。
私は、いろんな英語ブログをチェックしていますが、明らかに間違った英語を書いていたり、
あまつさえ自分はバイリンガルであると謳っていたり、
学習法について語っていたりする、誠実さのかけらもないブログを見つけては、心を痛めています。
それともう一つ、これも、常々私が思っていることなのですが、
よく、「どのように話すかではなく、何を話すかが大事だ」というようなことが言われますよね?
これは一理あるように見えるかもしれませんが、初級者には関係のないことです。
初級者は、とにかく話せるように、聴けるようになることが最重要課題なのです。
話す内容などは関係ありません。

内容云々ではなく、まずは自分の興味のある話題や分野から入っていくべきです。
それが、学習を長続きさせるコツでもあるからです。
内容にこだわるあまり、学習意欲が落ちてしまっては本末転倒です。
別に、アカデミックな内容だったり、含蓄のある内容である必要はないのです。
くらだない話題でも、それこそ人の悪口でもかまいません。
それが難なく聞き取れるようになることが、まずは最初の壁なのです。
内容云々に囚われて、ニュース英語だのTIME誌だのに手を出してはいけません。
最後に、ネイティブスピーカーであればだれでも英語を教えられるわけではない
ということを忘れないでください。
特に、その人がモノリンガル(母国語しか話せない)である場合は要注意です。
そもそも、母国語しか話せない人に、外国語学習について語る資格はないのです。
たとえその人が素晴らしく優秀な人であったとしても、ハーバード卒だったとしても、
外国語学習に関しては素人です。
そういう人に、英語学習方法についての判断をゆだねるのは危険です。
もちろん、これが正しい表現なのかといった文章のチェックをする、
いわゆるネイティブチェックというのは、きちんと教育を受けたネイティブなら誰でもできます。
けれども、それと、学習者のレベル判断やその人に合った学習法の提案ができることとは、
似て非なるものだということを、常に覚えておきましょう。
日本人は、いまだにネイティブ信仰があります。
優秀な人であれば大丈夫だろうなどと考えてはいけません。
その人が、英語教授法のプロであるか、または日本語を習得した人であるか、
長年にわたって外国人に英語を教えた経験があるといった場合でない限り、
学習方法について的確なアドバイスなどできるはずがないのです。
ともあれ、語学習得に近道はありません。
地道に、着実に頑張っていきましょう。
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