多読はボキャビルとリスニングアップに良い、というお話の続きです。
易しい本を数多く読む、これがポイントなのですが、
いわゆるペーパーバックはネイティブがネイティブのために書いた小説です。
子供向け絵本なども、やはりネイティブに向けて書かれていることに違いはありません。
外国語学習者、それも初級者がこれに手を出すと挫折する可能性があります。
おススメするのは、graded readersと呼ばれる、
レベル別にノンネイティブ向けに書かれた小説です。
ノンネイティブが読むということを前提に書かれている、というのが重要なポイントです。
各出版社からこの手のリーダーズはたくさん出ています。
また、小説が苦手な人には、ノンフィクションのリーダーズもあります。
Oxford University Pressには、Factfilesというノンフィクションシリーズがあります。
小説と比べると数は少ないですが、なかなか充実した内容です。
また、Pearson LongmanのPenguin Readersにも、ノンフィクションがあります。
易しいレベルですと、500ワード、文法は3時制(現在、過去、未来)のみ、
複文(関係詞を使った文章など)を一切使わずに書かれていたりします。
そういったレベルからスタートして、慣れてきたら徐々にレベルを上げて行くのです。
1ページに2、3語以上知らない単語が出てきたら、それはレベルが高すぎるということです。
1段階低いレベルに変えましょう。
これらのリーダーズは洋書なので、1冊が結構高いんですね。
なので二の足を踏む人が結構いますが、語学習得はお金がかかるものなのです。

もう一度言います。
語学習得は、お金がかかります。
楽器でもスポーツでもそうですが、お金がかからないものはありません。
安い楽器で練習しても上手くなりませんし、スポーツもちゃんとした器具やコーチにつかないと
絶対に上手くなりません。語学とて例外ではないのです。
本は一生の宝になります。
私が以前出版社時代に回っていた大学や高校で、
「そんな高い本は買えない、うちの生徒はお金がない」と言われたことがあります。
たかだか1冊2,000円ほどのテキストが買えないと言っておきながら、
キャンパスを歩く学生のほとんどがブランドバッグを持ち、
お金がないはずの財布はルイ・ヴィトンやグッチやエルメスなのです。
日本人はいつからこんな風に感覚がおかしくなってしまったのでしょう。
まったくもって嘆かわしことです。
話が少し逸れましたが、リーダーズは1冊千円もしません。
なので、たくさん読みましょう。
読む楽しさを味わえるようになってくると、ぐんぐん力が付いてきます。
出版社にもよりますが、レベル分けはスターターから6までの、6~7段階です。
レベル5くらいになると、そろそろペーパーバックに手を出してもいいでしょう。
自分でも驚くくらい普通に読めるはずです。
多少知らない単語や表現が出てきても、前後の文脈で想像しながら読む力がついているのです。
その状態まで持っていくには、多読がもっとも効果的です。
本当は、バランス良く多読と精読の両方をするのが理想ですが、
受験英語でさんざんやらされてきた精読に、アレルギー反応を持つ人も多いと思います。
特に、初級の方や理系の方はそういう人が多いのではないでしょうか。
精読をしなくとも、多読を積み重ねればある程度読む力はつきます。
半年から1年くらいのスパンを見ながら、多読に挑戦してみてください。
多読関連のリンクは、以前書いた記事にあるのでご参考ください。
多読のススメ
多くのかたが、多読の楽しさに目覚めてくれるといいですね。
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