英語の発音について語るとき、真っ先に出てくるのが、“L”と“R”だったり“F”と“V”だったりします。
これらの音は、確かに日本人が苦手とする音であることに間違いありません。
がしかし、実のところ日本人が弱いのは子音よりもむしろ母音のほうなのです。
このことに気付くのと気付かないのとでは、発音に大きな差がでてきます。
昔、ジャズシンガーの女性に発音指導をしていたことがあります。
彼女は、子音に関してはなかなか上手でした。
いわゆる破裂音や摩擦音、“T”や“D”、“TH”といった音には敏感で、
歌う時にも随分気をつけているようでした。
にもかかわらず、どうしても日本語アクセントが抜けない。
それをアメリカのジャズミュージシャンに指摘されて、ショックだったそうです。
ご本人にしてみれば、日本人が苦手と言われている“R”や“L”も完璧にマスターしているのに
何がまずいのか、と思ったことでしょう。
そう、彼女は決定的に母音が弱かったのです。
英語には、日本語にない母音がたくさんあります。
中でも、ShipとSheepといったような、短母音と長母音の区別が苦手な人が多い。
Shipと発音したつもりが、Sheepになっているということがままあるのです。
I don’t like instant foods.
と言ったつもりが、
I don’t like Eastern foods.
と聞こえてしまい、「え、日本人なのにどうして?」と不思議がられた。
これは、友人の実話です。
原因は短母音の[i]の音が強すぎることにあります。
この音は、日本語の「イ」とは違います。
喉の奥のほうで出す音で、「イ」よりはむしろ「エ」に近い。
日本語の「イ」の音で“instant”と言ってしまうと、[i:]となってしまいます。
Shipと言ったつもりがSheepになってしまうのはそのせいなのです。
チキンサンドを頼んでも通じなかった、という知人がいますが、
やはりchickenの[chi]の音が日本語の「チ」になっていたために、通じなかったのだと思います。
口先で「イ」というのではなく、喉の奥で音を出しましょう。
気持ち、「エ」に近い「イ」を言うつもりで発音するとそれらしくなります。
母音は曲者です。
子音ばかりに気を取られていてはいけません。
以上、本日の発音クリニックでした☆
ダウン発音って奥が深い音譜
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