以前、英語にはリダクションがあって、それが聞き取りを難しくしているというお話をしました。
その時に取り上げたのが、“ダブルティー”、つまり“t”が2つ重なる場合の発音です。
letter
better
gutter
motto
など、ダブルティーはいつものTとは違い、音が弱くなるのです。
Tは本来破裂音なので、舌を口内の上あごにポンッと打ちつけます。
ところが、これらダブルティーの場合は、その「ポンッ」がないわけです。
舌で上あごを軽く触る、滑らせる程度に抑えます。
そのことで、発音が変わってくるのです。
なので、この時の[t]は、どちらかというと[l]や[d]の音に近くなる。
ベターがベラーに聞こえる、というのはそのせいですね。
ところで、この現象は何もダブルティーに限ったことではないのです。
シングルティー(つまり、Tがひとつしかない場合)でもこのパターンはよく見られます。
たとえば、
water
twenty
party
often
Peter
といった単語がその典型です。
何かの本で、ウォーターはワラと発音する、と書かれていたのを記憶していますが、
まあ、あえてカタカナにするならそれが近いかなと、妙に納得したものでした。
これらのTもやはりリダクションが起きるのです。
たとえば、この曲。
日本でもおなじみの、「サンタが街にやってくる」
このサビのフレーズは、Santa Claus is coming to town♪ですが、
Santaとtoの発音に注意してください。
どうでしょう?
どちらも、[t]の音がかなりリダクションされているのがわかると思います。
Santaはほとんど“サナ”、coming to townは“カミヌタウン”と聞こえると思います。
これは、Michael Boltonのバージョンですが、
マイケルはマイケルでもジャクソンのほう、Jackson 5バージョンを聞いてみましょう。
やはりマイコーも、
サーナクロースィズカミヌタ-ン オーイエー!!!
と歌っていますね(笑)
こういったリダクションは、北米英語ではもうほぼデフォルトといってもいいと思います。
T(またはTT)=[t]というように思っていると、聞き取れません。
聞き取れないだけではなく、自分が発音した際にネイティブに通じない可能性も大です。
こういったリダクションの練習には、歌が一番です。
Jackson 5版はマイケルのボーイソプラノのせいでかなりキーが高いので、
途中で声帯が切れそうになるのでおススメしませんが(笑)、
マイケル・ボルトン版で練習するといいと思います。
ちょうど字幕も出ているので、練習にはぴったりです。
以上、リダクションのお話しでした。
発音は奥が深い
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Santaはサンタではない
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こんばんは☆
リダクション、興味深いです。
アメリカ人において、これは特に
強くでていると思います。
イギリス系になると、わざとtを
ハッキリ発音しているように聞こえますが(笑)
発音練習には歌ってみるの、いいですよね☆
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>Rainyさん
北米英語はリダクションなしには語れませんね。
ブリティッシュだとまた全然違ってくるのが、英語の面白いところです。
発音練習とスピーキングアップには歌が効果的です。
実際、同じくらいのインプット力の人でも、
洋楽を聴いてる人とそうでない人とでは、アウトプット力が全然違う。
やはり、声に出すのが何事も基本ですね。