イングリッシュブートキャンプ:由美です。

テニスの大坂なおみ選手、グランドスラム達成しましたね。

日本のメディアは「男女通じて史上初となる4大会優勝」ということで、かなり盛り上がっています。

その水を差すわけではないですが、海外メディアではセリーナ・ウィリアムズ選手の態度や、観客の無礼や表彰式での大坂選手に対する扱いに、批判的な報道がされています。

そういった海外メディアの記事と、実際の表彰式での様子を解説していきます。



恥ずべき行為と一刀両断にしたニューヨークポストの記事

こちらはNew York Postの記事です。

It’s shameful what US Open did to Naomi Osaka

USオープンが大坂なおみに対して行った恥ずべき行為、という見出しで始まっています。

shamefulは、恥ずべき、けしからん、という意味の形容詞。

なにがそんなに恥ずべきことなのか。


Naomi Osaka, 20 years old, just became the first player from Japan to win a Grand Slam.
20歳の大坂なおみは、日本人選手として初めてグランドスラムを達成した。

Yet rather than cheer Osaka, the crowd, the commentators and US Open officials all expressed shock and grief that Serena Williams lost.
だが、そんな大坂選手を讃えるのではなく、観客やコメンテーターや大会関係者たちはみな、セリーナ・ウィリアムズが負けたことに対するショックと悲しみを露わにした。


このあたり、中学英語で十分読める内容です。

もしもテニスやスポーツに興味があるのであれば、ぜひ頑張ってこのあとも最後まで読んでみてください。

辞書を引き引きしながらでも構いません。

事情をある程度知っている分、読むのがそこまで大変ではないはずです。

で、この記事にある、優勝者(なおみ選手)そっちのけで、セリーナが負けたことばかりみんなが話題にした、という動画がYouTubeにあがっています。

いたたまれない表情で、I’m sorryと口にしてしまう大坂選手

まずは表彰式の様子を見てみましょう。

英語がわからない人も、とりあえず我慢して見てください。

大坂選手の表情を見れば、状況がなんとなくわかると思います。






優勝したのはなおみなのに、なぜかど真ん中にセリーナが立っています。

まあここは、国民的英雄である彼女がセンターにという、大会側の思惑というか配慮だったのかもしれません。

私はテニスファンでもなんでもないので、ここは客観的にレポートしていきたいと思います。

さて、ニューヨークポストが断罪している大会関係者の恥ずべき行為は、動画開始1分30秒あたりから始まります。

全米テニス協会会長のアダムズ氏(白い袖なしのドレスを着ている人)の発言です。


Naomi, welcome to the big stage. Serena, welcome back. These two weeks, you two have showed your power, your grace, and your will to win.
なおみ、ようこそ大舞台へ。そしてセリーナ、おかえりなさい。2人ともこの2週間、力強く、品位を保ち、最後まであきらめずに戦いました。


まあ、ここまでは問題ないですね。

ちゃんと、最初に勝者である大坂選手に声をかけてますし。

でも次の発言がいただけない。



Perhaps it’s not the finish we were looking for today, but Serena, you are a champion of all champions. This mama is a role model and respected by all.
今日の結果は我々が思っていたものではなかったかもしれないけど、でもセリーナ、あなたはチャンピオンの中のチャンピオンよ。みんなのロールモデルであり尊敬すべき存在よ。


う~ん、実際のチャンピオン(それもグランドスラム達成)を前にして、この言い方はないのでは・・・という感じがしますね。

肩身の狭い思いで隣に立っている大坂選手、チャンピオン中のチャンピオン発言の時に、1つため息を吐きながらもちゃんと拍手をしていて、偉いなぁと思います。

で、ようやくその後に大坂選手のことも褒めています(当然ですね)。


Naomi, congratulations on your first Grand Slam title. You are indeed a champion and a force of the future.
なおみ、初のグランドスラム達成おめでとう。あなたは本物のチャンピオンでテニス界の未来を担う人よ。


こう言われても、観客のブーイングやセリーナを立てる陣営を前に、笑顔になれない大坂選手。

続いて、司会のオジサン(名前ど忘れ。最初に出てますがw)が、セリーナに振ります(2分40秒あたりから)



Serena, not the result that you wanted tonight. How do you put into perspective what this match contained?
セリーナ、今日の結果は残念だったね。この試合を振り返ってみてどんな感じ?


この、not the result you wanted tonight ですが、今夜あなたが欲していた結果ではない、というのが直訳です。

つまり、負けて残念だったね、というニュアンスで、これまた横でやり場なく立ちすくんでいる大坂選手に対し、追い打ちをかけている感が否めません。

だけどここで、セリーナ選手が素晴らしいフォローをするんですよ。


Well, I don’t want to be rude, I don’t want to interrupt, I don’t want to do questions. I just want to tell you guys, she played well and this is her first Grand Slam!
無作法なことはしたくないんだけど、ちょっと言わせてもらっていいかしら、みんな、彼女は素晴らしいプレーをしたのよ。で、これが彼女の初めてのグランドスラムなのよ!


I know you guys were here rooting and I was rooting too, but let’s make this the best moment we can and we’ll get through it. Let’s give everyone the credit where credit is due. Let’s not boo any more. We’re going to get through this and let’s be positive. So…Congratulations, Naomi. No more booing.
みんなが応援しにここに来てくれてるのはわかってる。私もそう。だから最高の瞬間にしましょうよ。私たちならできる。認めるべき功績はちゃんと認めましょう。もうブーイングはやめて。きちんと受け止めて、ポジティブにいきましょう。だから・・・なおみを祝福して!なおみおめでとう。ブーイングはなしよ。


rootというのは、スポーツなどで応援するという意味です。

根っこを意味するrootと、同じ単語です。

スポーツ関連ではよく出て来るので、覚えておきましょう。

それと、このcreditという単語ですが、これがなかなか日本語に訳しにくいですね。

功績とか評判とか、賞讃とか色々訳せますが、このGive credit where credit is due.は決まり文句で、「認めるべき功績は認めよ」という意味です。

つまり、ここはなおみが勝ったんだから、彼女の勝利を素直に認めて賞讃しましょう、ということですね。

協会側が追い打ちをかけるようなことを言うので、セリーナがフォローしてくれたんですね。

それでも大坂選手はまだ、悲しげな顔をしています。

そしてようやく、5分15秒あたりで大坂選手への表彰に移ります。

セリーナが諭してくれたおかげで、観客からのエールが鳴り響いています。

オジサン(名前覚えたれよ!)が、「セリーナ・ウィリアムズと対戦するという夢が叶ってどうですか、実際の感想は」と聞きます。

それに対して、大坂選手はこう答えます。


I’m going to sort of defer from your question……I’m sorry. I know that everyone was cheering for her and I’m sorry it had to end like this. I just want to say thank you for watching the match……Thank you.
ごめんなさい、質問の答えにはなってないんですが・・・みんながセリーナ選手を応援してるのは知っています。だから、こんなかたちで終わってしまって申し訳なくて。ただただ、試合を見てくれてありがとうと言いたいです。ありがとう。


う~ん、せっかくの全米オープン優勝、それも初グランドスラム達成だというのに、I’m sorryを連発せざるを得ない状況って、あまりに切ないですね。

若いお嬢さんに、泣きながらこんなこと言わせちゃダメだなぁと私も思いました。

そりゃニューヨークポストもshamefulと見出しを付けるはずです。

この、defer from your questionというフレーズですが、defer fromというのは口語的な言い回しで、「~を先送りにする」とか「~するのを控える」みたいな意味です。

つまり、質問に答えられない、と言っているわけです。

さらにオジサン(だから名前を・・・w)は続けます。


After match point, you made your way over to your box and you had an embrace, a long embrace with your mom. What did the two of you share?
マッチポイントを取ったあと、ボックスに駆け寄りお母さんと抱き合いましたね。かなり長い抱擁でした。あの時何を話したんですか?


このembraceというのは、抱擁(抱き合うこと)です。

What did the two of you share?は、直訳すると「あなたたち二人がシェアしたことは何?」という意味ですが、つまりあそこで二人で何を話していたの、ということですね。

大坂選手は答えます。



Well, she sacrificed a lot for me. And it means a lot for her to come and watch my matches because she doesn’t normally do that anyways, so… …always missing is my dad, but he doesn’t like physically watch my matches, he walks around. So I’ll see him later.
母は私のために色んな物を犠牲にしてくれます。私の試合を見に来てくれるのは大きなことで、というのも普段は見に来ないので。父はいつも来ません。物理的に試合を見るのが好きじゃないから。だから後で会います。


means a lot は直訳すると「多くのことを意味する」、つまり「すごく重要な意味がある」とか「すごく大きなこと」となります。

いつもは試合を見に来ない母がこうしてわざわざ来るというのは、それだけで凄い事なんです、と言っているわけですね。

そして、オジサンは続けます。


The first Japanese player, male or female, from your country in history to win a Grand Slam final. I know it just happened, Naomi, and it’s still sinking in, but what does it mean to you?
男女含めて、日本人として史上初のグランドスラム達成となりました。なおみ、まだ起こったばかりで、実感がないでしょうけどどんな気持ちですか。


it’s still sinkingというのは、まだ沈みつつある状態、つまりまだ状況が飲み込めていない状態、という意味でよく使われる表現です。

そしてここでもmeanが使われていますね。

意味する、という動詞ですが、あなたにとって何を意味しますか、という言い回しは英語ではよく出てきます。

日本人初のグランドスラム、とオジサンが言ったところで、観客から大きな歓声が上がりましたね。

さすがにやっと、大坂選手の表情も和らいだかな(でもどこかまだ混乱してるような感じ)

 
It was always my dream to play Serena in the US Open finals. So I’m really glad that I was able to do that, and I’m really grateful I was able to play with you, thank you.
セリーナ選手と全米オープンの決勝で戦うのは長年の夢でした。だから、それが実現できて本当に嬉しいです。あなたと試合ができて本当に光栄です、ありがとう(セリーナに向かって)


最後のほうは少し笑顔が戻っていて、ホッとしました。

なんかもう、ハラハラしながら母親のような気持ちで、見守ってしまいましたよ。

スポーツマン精神、sportsmanshipと英語で言いますが、正々堂々と戦い抜く精神、フェアな精神というものの大切さをもう一度考える、ある意味いい機会になりました。

若い大坂なおみ選手が、これからのテニスの、スポーツの未来を作っていくforce of the futureであることは間違いないですね。

頑張ってほしいです。

英語でNaomiはネヨ~ミ

大坂選手はお母さんが日本人で、お父さんがハイチ系アメリカ人。

Naomiという名前は、日本語でも「なおみ」という女児の名前がありますが、英語名でもあります。

かつて、Naomi Campbellという、イギリスのスーパーモデルがいました。

カタカナ表記は「ナオミ・キャンベル」ですが、実際の発音はネヨ~ミで真ん中にアクセントがあります。

この大坂選手も、ネヨ~ミと呼ばれていますね。

大坂選手は、3歳からずっとアメリカで生活しているアメリカ人なので、英語はネイティブでしょう。

ただ、この動画ではもの凄く萎縮してしまって、ちょっと声も小さいですね。

大してセリーナ選手はもう、それこそ堂々とした話しぶりです。

英語を話す時に大切なのは、発声と声のトーン、そしてリズムです。

この表彰式では、どの人もみなゆっくり話しています。

語彙も文法も大体中学レベル。

ほとんど聞き取れなかった・・・という人は、英語の音そのものが聞き取れていません。

まずは、発音のルールを理解するところから始めましょう。

『Yumiの脱カタカナ英語マニュアル』は、英語の基本発声である喉の開き方から、個々の子音や母音はもちろんリエゾンやリダクションまで、段階を踏みながら習得できるようにまとめられています。

収録内容 -テキスト102ページ(PDF)
      音声90分(MP3)
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