ちまたに星の数ほどある英語教材を見ていて思うのが、
どうして音声教材はレベルによってスピードが違うのだろう、ということです。
初級者向け教材の音声教材を再生すると、そのスピードの遅さに驚きます。
私は、以前ある英語教育教材の出版社で働いていました。
その当時からずっと思っていたのですが、レベルが上がるにつれてスピードも速くなる。
上級者レベルになって初めて、ナチュラルスピードに近い音声になるのですが、
それってとても不親切だな、ということです。
天満さんもブログで書かれていますが、語学CDは聴くためではなく、リピート練習のためにあります。
録音された音声と同じように言えるまで、何度も繰り返し声に出して練習するのです。
けれども、この音声のスピードが遅いと、実際にネイティヴの英語を聞いた時についていけません。
たとえば、
What does she look like?
という、中学1年レベルの簡単な表現があります。
彼女はどんな見た目ですか、というシンプルなクエスチョンです。
これは字面だけ見ていると5ワードの文ですが、実際には4ワードです。
What doesが短縮されてWhat’sと発音されるからです。
初級レベルの学習者が、この中学1年の英文法を使ったシンプルな疑問文を、
What / does / she / look / like?というゆっくりした音声で練習した場合、
実際の会話で「What’s she look like?」と言われたら聞き取れません。
どれだけ簡単な文章でも、また初級レベルであっても、
限りなくナチュラルスピードに近い音を聞かないことには、
いつまで経っても本当の英語には慣れません。
多くの音声教材が、必要以上にスピードを落として録音されているのは非常に残念なことです。
また、多くの英会話講師が、初級レベルの学習者にはゆっくり話すのも、
学習者側に立って考えると親切ではありません。
この傾向は、特にネイティブの講師に顕著に見られるように思います。
ナチュラルスピードで話すと生徒が「???」状態になってしまうため、
いつの間にかスロウダウンして話す癖がついてしまっているのでしょう。
初級レベルの学習者は、語彙や文法など基本からスタートする必要がありますが、
だからといって、不自然なまでにゆっくりとした会話を聞く必要はないのです。
あくまでも、ナチュラルスピードで、使う語彙や文法はシンプルに。
これが理想的な学習スタイルだと思います。
そのためには、市販の英語教材の音声では間に合いません。
いつか、初級者向けのナチュラルスピードの音声教材を作りたいと思っています。
それはさほど難しいことではないはずだからです。
初級レベルの学習者のみなさん、待っていてくださいね☆
ダウンナチュラルスピードに慣れることは大切音譜
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