私が初めてイギリス英語に接したのは、高校生の時でした。
日本の英語教育は、ご存知のようにアメリカ英語をベースにしています。
また、日本で公開される映画のほとんどがハリウッド映画(つまりはアメリカ映画)で、
ファーストフードも何もかも、アメリカの影響が大きかったこともあり、
イギリス人の話す英語というものに対して、ほとんどの人はピンとこなかったと思います。
今みたいになんでもネットで見れる環境ではありませんでしたから、なおさらです。
それは、私も例外ではありませんでした。
アメリカ英語とイギリス英語がそんなにも違うということを知ったのは、高校2年生の時、
友人から借りたあるレコード(って古っあせる)がきっかけだったのです。
それは、伝説のパンクバンド、Sex Pistolsの“Never Mind the Bollocks”というアルバムでした。
当時の邦題は、「勝手にしやがれ」で、これはなかなか上手いタイトルだと思います。
さっそく聴いてみましたが、その第一印象たるや、最悪でした。
ひとことで言うなら、「なんじゃこりゃ?!」
歌は下手だし、演奏はスカスカだし、バンドのメンバーはみんな栄養失調児みたいに細くてキモいし、
こんなのあり得ない~~~と思ったのです。
ところが、何かの番組で70年代パンクロック特集みたいなのをやっていて、
そこでこのピストルズの映像が流れたのです。
衝撃的でした。
この人たちは、尋常じゃない・・・
そう思って、もう一度カセットを聴き直してみたのです。
そして、その挑発的な歌詞の内容にこれまた度肝を抜かれました。
その時の映像が、これです。

God Save the Queen     The Sex Pistols
God save the Queen           女王陛下万歳
The facist regime           輝かしきファシスト政権
They made you a moron         お前はクズと同じ
Potential h-bomb            水爆みたいなもの
God save the Queen           女王陛下万歳
She ain’t no human being        彼女は人間じゃない
There’s no future            未来なんてないんだよ     
In England’s dreaming          イングランドにはな
Don’t be told what you want      何が欲しいか
Don’t be told what you need      何が必要か一々言わせるんじゃない
There’s no future, no future      未来なんてない
No future for you           お前に未来なんてないんだよ
God save the Queen           女王陛下万歳
We mean it man             本気で言ってるんだぜ
We love our Queen           だって俺たちみんな
God saves                女王様が大好きだから
God save the Queen           神よ、女王陛下に栄光を
‘Cos those tourists are money      観光客は金になるからな
And our figure head           でもって俺たちの女王様は
Is not what she seems          見た目と中身は違うんだ
Oh God save history           おお神よ、我が国の歴史を
God save your mad parade        愚かな虚飾をお許しください
Oh Lord God have mercy         神よ、お慈悲を
All crimes are paid           全ての罪を許したまえ
When there’s no future          どうせお先真っ暗なんだこの国は
How can there be sin           だったらそもそも罪なんてないだろ?
We’re the flowers in the dustbin     俺たちはごみ箱の中のアダ花
We’re the poison in the human machine   人間という虚しい機械の放つ毒
we’re the future, your future       俺たちこそが未来、お前の未来なのさ
God save the Queen            おお、神よ、女王に栄光あれ
We mean it man              本当に
We love our Queen             だって俺たちの女王
God saves                 大好きな女王
  
God save the Queen            女王陛下万歳
We mean it man              本気で言ってるんだぜ
And there’s no future          この国に未来なんてないから
In England’s dreaming          いつまでも夢見てろよ
No future for you            お前に未来なんてない
No future for me             俺たちに明日はない
No future for you             未来なんてない
No future, no future for you        未来なんてないんだ
ボーカルのジョニー・ロットン(ジョン・ライドンの愛称、腐ったジョニー)は、ロンドンの労働者階級出身。
コックニーで歌う彼の迫力に、当時の私はかなり気押されました。
歌詞を見ながら聴いても、聴き取るのがかなり大変だったのです。
God savesのところが、どう聞いても「サイブズ」に聞こえる。
paradeはパライド、paidはパイドとしか聞こえない。
“a”は「エイ」と発音するはずなのになぜ・・・と色々悩みました(笑)
学校の英語教師に聴いても、コックニーのことなど知らないばかりか、
そんな下劣な音楽を聴いてはいけないと、逆にお説教される始末で、
うんざりしたことを今でもはっきりと覚えています。
このGod Save the Queenという曲は、当然のことながらあのイギリス国家をもじっています。
女王陛下万歳と言いながらこきおろす、これぞパンク精神といったところでしょうか。
私はあまりパンクにはハマらなかったし詳しくないのですが、
イギリスのカルチャーやメンタリティー、そしてイギリス英語というものに初めて触れたのが、
このピストルズだったのです。
とはいえ、当の本家であるイギリスにおけるパンクムーブメントは一瞬だったんですけどね。
パンクスといえば、むしろNYのほうが根付いている気がします。
ちなみに、タイトルにある“bollocks”というのは、
イギリス人が「畜生!」とcurseするときのスラングで、
アメリカ英語でいうところの、“shit!”みたいなものです。
デビューから30余年経った、今のジョニーの英語を聞いてみましょう。
アメリカ生活が長いからか、結構マイルドなアクセントになっています。
少なくとも、コックニーはきれいさっぱりなくなってますね。
何を言ってるか、ちゃんと聞き取れますから(笑)

ジョニーはRP(received pronunciation、イギリス標準英語)を話すようになったというのに、
サッカー選手のデイヴィッド・ベッカムはいまだに訛りが抜けませんね。
アメリカ生活は彼のほうが長いと思うんですが・・・・・
インタビューの後半でジョニーが口にした、“rubbish”という言葉も、非常にブリティッシュです。
アメリカ人なら、“bull shit”と言うところでしょう。
くだらん、とか、バカバカしい!という意味です。
この、rubbishとはゴミという意味で、
ゴミ箱はgarbage (can)ですが、イギリス英語だとrubbish binと言います。
表現の幅を広げるためにも、こうして色んな国の人の英語を聞くといいでしょう。
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