先日、ある用件でハローワークに出向いた時のことです。
待合室にテレビがあり、ちょうど夕方のニュースを放送していました。
そこで、今の新卒の人たちは過半数が就職した企業に一生勤めたいと希望している、
という内容の特集を放送していました。
若い人たちは、職場の上司や先輩と飲み会に出かけたり社員旅行をすることで、
自分の居場所を確認し、仕事にも馴染んでいくことができる、といったような内容で、
そういうカルチャーを良しとするという一方的なインタビューとコメントで占められていて、
思わずゾッとしてしまいました。
日本経済が低迷して久しい中、若い世代が非常に保守化しているように思います。
日本の終身雇用、年功序列といった前時代的な価値観はもう崩れ去ったのかと思いきや、
若い人たちのメンタリティーは逆行しているのです。
けれども、現実はどうかというと、経営者側はもはや終身雇用など本気で考えてはいません。
何かあれば容赦なくレイオフを敢行しますし、そもそも今の時代、入ったからには安泰、
なんて企業はもはやどこにも存在しないのです。
にも関わらず、若い人たちはいまだに昭和30年代のような価値観を持ち続け、
言われるがままにサービス残業や休日出勤を繰り返し、
あまつさえジョブ・ディスクリプションにはないはずの、
飲み会やら慰安旅行やらにこぞって参加する。
そこで疲労困憊し、廃人のようになってしまっても、企業戦士という名前にごまかされ美化されてしまう。
いったいいつになったら日本人はこの悪循環から抜け出すことができるのでしょうか。
つい先日の、ジオス倒産劇を思い出してしまいました。
ジオスが倒産したことでしみじみ思ったのが、どうしてみんな目が覚めないのか、
何度も痛い目に合っても同じことを繰り返すのかということです。
これは、企業経営者側だけの問題ではなく、高い授業料を支払っていた生徒にも言えます。
支払った授業料は返ってくるのか、とパニックになっている人もいますが、
NOVA倒産の時にあれほど痛い目にあったはずなのに、どうして学習しないのでしょう。
厳しい言い方をしていることは百も承知です。
けれども、敢えて言わせていただきます。
日本人は、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうのではないでしょうか。
NOVAの倒産は戦後最大級の被害をもたらしました。
そのこと自体、知らないという人もいて驚いてしまいます。
支払った金額が返ってくるかという問題ですが、こういう場合、
まず保証されるのが従業員の給与なので、管財人を通してかき集めたお金は、
従業員(スクールスタッフや講師)の未払い分の給与に充てられます。
したがって、顧客である生徒の支払った授業料にまで回ってくる可能性はほとんどありません。
そういう経緯や、英会話産業の不安定さなどを考慮し、考え抜いて自分なりに納得し、
リスクを承知で授業料を納めた人はいったいどれくらいいるのでしょう。
この先、まだまだこの手のスクールの悲劇的な結末は続くと私は思っています。
名前は挙げませんが、有名タレントや映画監督がCMをしている大手スクールだって危ないのです。
そういうことは、よく調べればわかることです。
商品を買うという行為は、買う側にもそれなりの覚悟というものがいるのです。
特に、何十万というような高い買い物をする場合は、消費者だってよく調べるべきなのです。
そもそも、日本人はお上から言われたことに何の疑問も抱かない、危ない一面があります。
お上というのは何も国家権力だけではありません。
大企業だったり、テレビCMやメディアに出ている人や団体だったり、
身近なところでは学校の先輩や職場の上司だったり。
そういう人や団体が主張してくることに、何ら批判的に考えることなく唯々諾々と受け入れてしまう。
サービス残業もするし宴会にも参加する、多少の違法行為にも目を瞑る、
よくわからなくてもまあいいかと簡単に信用して高い買い物をしてしまう。
その結果、悲劇的な事態が訪れた時に、どうしてくれるんだ、責任を取ってくれと言っても、
何も始まりませんし、それで事態がよくなったことは歴史的にも一度もないはずなのです。
にもかかわらず、そういうメンタリティーは一向に変わることがありません。
いったん就職したからには、石にかじりつく覚悟で頑張る。
そうやって、就職先企業の洗脳教育を受け、いつの間にか社会倫理を逸脱した行為に加担する。
加担している事実すら認識しないまま、そのうち破綻すると頭を下げて涙を流す。
そして、ほとぼりが冷めるとまた別の組織で似たようなことを繰り返す。
これはどこぞの英会話スクールだけのお話ではありません。
多くの日本企業が繰り返している犯罪です。
そして、それに加担しているのは、
「大手だから大丈夫」「CMでよく見るから」「誰それさんもやっているから」
といった理由で簡単に手を出してしまう消費者の存在もあるのです。
それっておかしいんじゃないの、それは社会倫理に反するでしょう、
いくら上司や経営者の命令であっても、倫理に反することはできません。
そういう当たり前の判断基準を一人ひとりが持っていれば、
防げる悲劇が少なからずあるのではないでしょうか。
そもそも、個人の幸福よりも組織の利益が優先されるというのは病的な社会なのです。
一人ひとりがそのことに気づいて変わるしか、この手の悲劇を防ぐ手はないのではないでしょうか。
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