言葉はその国の文化や精神(メンタリティー)を表すものだと思います。
私は、英語を教える以外に、フリーランスで翻訳や通訳していますが、
これは訳せないなぁ、という単語に出くわすことがたびたびあります。
もちろん、直訳ができない、ということであって意訳をすることはできるわけですが。
日本語にはあるけれど、英語にはない概念。
英語にはあるけれど、日本語にはない概念。
どちらも結構たくさんあるんですね。
たとえば、
面倒くさい
がんばる
しょうがない
これらの日本語は、英語に訳しづらい代表格です。
面倒くさい、と言いたい場合、
It’s a pain.
It’s a pain in the butt.
It’s a hassle.
It’s a bother.
と訳すことが多いのですが、「面倒くさい仕事」というように、
形容詞として使う用法が英語にはないのです。
なので、日本に住んで長い外国人やバイリンガルの人たちはよく、
It’s めんどくさい.
というように日英ちゃんぽんで言ったりします。
同様に、がんばる、しょうがない、という表現もピッタリくるものがありません。
頑張って!というのは日本語ではしょっちゅう使うフレーズですが、
英語にするとGood luck!とか、Take it easy!となって、
ニュアンスがまったく変わってきます。
しょうがない、というのも敢えて訳すとすれば、
It can’t be helped.
となりますが、やはりニュアンスが違うので、これもまたちゃんぽんで、
That’s しょうがない、などと言ったりします。
逆に、英語から日本語に訳せない表現もあります。Take it easy!がまさにそうです。
明日試験なんだよね、と言われたら日本人ならまず「頑張って!」と言うところですが、
英語ネイティブの場合は「Take it easy!」と返します。
ある意味、「頑張る」の真逆の返しですね。
何ごとにも根性を出して必死でやらなくてはならない日本のメンタリティーと、
とにかくリラックスして無理せず、のびのびやりましょうという文化の差が、
言語に如実に出ている例だと思います。
そういえば、昔ドイツ人に日本語を教えていたことがありますが、
その人が週末に日本語検定を受けると言ったので、「Take it easy」と言ったら、
それはどういう意味だと聞かれたことがあります。
あ、ちなみに、彼との普段の会話は英語でした。
どういう意味かと聞かれたので、リラックスして気楽にやりましょう、という意味だと答えたら、
そんな概念はドイツにはないとキッパリ言われたことがあります。
ドイツと日本は、どこかメンタリティーが似ているのかもしれませんね。
言葉って面白いと思った私でした。
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