日本語と英語の違いの一つに、姓と名前の順番が逆だというのがあります。
たとえば、英語名でJohn Smithさんという人がいるとします。
日本語式で書くと、スミス・ジョンとなります。
この語順は、ヨーロッパ圏は大体同じで、名・姓の順ですが、ハンガリーは日本と同じなんですね。
ハンガリー語は、ウラル・アルタイ語系に近いのだそうです。
言葉って奥が深いですね。
ところで、姓名に関しては、順番だけでなく、英語と日本語で大きく違う点がもう一つあります。
英語には、middle name(ミドルネーム)があるという点です。
この、ミドルネームというのが案外曲者なんですね。
人によって、ファーストネームを通称にする人と、ミドルネームを通称にする人、
またどちらも使う人、というように様々だからです。
以前、洋書出版業界で働いていたころ、Robertという人がいました。
彼はファーストネームがScottなんですが、当時業界にScottという名前の人が複数いたために、
混乱を避けるため、Robertを通称にしたんですね。
家族も友人も彼をScottと呼ぶのですが、仕事関係ではRobertにしたのです。
パーティなどで一緒になると、彼の友人たちはみな彼をScottと呼び、出版関係者はRobertと呼ぶ。
なんともややこしい状況になるわけです。
私は今でも彼をRobertと呼びますが、人によってはScottと呼ぶ人もいて、
時々誰の話をしているのかわからなくなるのです。
ファーストネームとミドルネームのイニシャルを取って、通称にする人もいます。
私は、Guns N’ Rosesのギタリスト、DJ Ashbaの大ファンなのですが、
彼の本名は、Daren Jay です。
彼は、お兄さんがDaren Robertという名前なんですね。
家族はみな兄をDarenと呼ぶわけです。
すると、弟はDaren Jr(ジュニア)となるわけですが、
長ったらしいので、Daren Jayの頭文字を取って、DJと呼ぶようになったようです。
ちなみに、Daren(Darren、Darrinとも綴ります)といえば、
真っ先に思い浮かぶのがアメリカの人気シットコム、Bewitched(奥さまは魔女)ですね。
サマンサと夫のダリンは一見平凡な夫婦。
だけど、奥様の実態は、魔女だったのです~~~というオープニングが印象的。
この時、その後の日本人のイメージを固定化する誤訳が起きたんですね。
夫のダリン(Darrin)というのは、名前です。
なのに何を勘違いしたのか、訳者は“ダーリン”と訳してしまった。
ダーリン、つまり“darling”は愛するパートナーに対する呼びかけです。
これは妻が夫に対して使うといったものではありません。
むしろ、私の知る限りでは男性が女性に使うことのほうが多い。
このドラマのヒットによって、日本人の中に、「彼氏をダーリンと呼ぶ」という
勘違いが刷り込まれてしまったんですねぇ(笑)
ちなみに、サマンサの娘(つまり、魔女と人間のハーフですね)の名前はタバサです。
人気バッグブランドのサマンサタバサはここから取られてるんですね。
以上、ちょっとしたトリビアでした。
話は戻って、頭文字を取って通称にする、ということでしたね。
このパターンは結構あります。
男の子の場合、父親の名前をそのままもらうことが多いんですね。
父親がJohnで、息子もJohnとなるとどっちがどっちかわからなくなります。
そういう時に功を奏するのがこのミドルネームなんですね。
そもそも、なんで親子や兄弟で同じファーストネームをつけるねん、
と日本人の私なんかは思ってしまうわけですが、これも文化なのでしょう。
知り合いにも結構いるので、かなりの確率で肉親同士同じ名前というパターンがあると思われます。
ところで、女性の場合、maiden nameというものがあります。
いわゆる「旧姓」に当たるものですが、
基本的に英語圏は、結婚しても旧姓を名乗る場合が多いんですね。
で、結婚後の夫の名字をそのまま並べる。
たとえば、Jane Smithという人が、Brownという名字の人と結婚すると、
Jane Smith Brownとなるわけです。
これは極めて普通のことです。
日本の場合、夫婦別姓が制度化されていないので、困ることがあります。
特に、パスポートを使用する、インターナショナルな仕事をしている場合足かせとなります。
ホテルを予約するのも、パスポートと同じにしておかないと、
後々面倒なことになったりするのです。
別人がチェックインした、なんてことになりかねません。
けれども、仕事上は書類も何もかも全て旧姓を通しているので、
今さら戸籍上の名前を使えと言われても、大変困ります。
このあたり、日本は非常に遅れているので、早くなんとかしてもらいたいものです。
ちなみに、私のかつての上司のミドルネームはLawrenceでしたが、
それを知った時のショックはいまだに忘れられません。
ローレンスといえば、私の中ではアラビアのローレンスなんですね。
上司はあまりにもローレンスのイメージとかけ離れていました(笑)
中国人や韓国人は極めて普通に英語名を通称にしますが、
私はこれは抵抗があったりします。
ちょっと前まではソン・ジュだったのに、ある日突然ジェニファーと呼んで、
と言われても切り替えができません。
自分で英語名を付けることに、彼らは何の抵抗もないのでしょうか。
名前はアイデンティティーだと思うのですが・・・
このあたり、controversialな話題になりそうで、直接聞いたことがありませんが、
昔からずっと気になっている点です。
みなさんは、自分に英語名を付けられますか?
ダウン名前って面白い、と思った方はこちらをクリック音譜
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 英語ブログ 英語学習情報へ
にほんブログ村


スポンサーリンク

関連コンテンツ