繰り返し言っていることですが、言葉は文化、メンタリティーを表します。
言葉の違いはそのまま文化の差であり、そこに根付くメンタリティーの違いでもあります。
たとえば、日本語で出身地と言うと、大抵の場合生まれ育った土地を指します。
日本は、戸籍というものが大きな意味を持つ国です。
最近でこそ、本籍地を移すのは比較的珍しくなくなりましたが、
一昔前は、本籍地はその人の出身地としていつまでも残るとみなされていました。
かつては国民的一大イベントでもあった紅白歌合戦、出場歌手の紹介の時には必ず、
その人の出身地(つまり生れた土地)が表示されていました。
また、元旦恒例のかくし芸大会では、西軍と東軍に別れて競い合いましたが、
この時もやはりタレントの出身地で西日本と東日本に分けていたのです。
その人が実際に育った場所ではなく、出生地を重視するきらいが、日本にはありました。
歌手の郷ひろみは、東京育ちなのにいつまでも鹿児島出身と書かれて納得がいかなかったそうです。
今でも、正式な書類などには本籍地を書く欄がありますね。
これ、何のためにあるのだろうといつも腑に落ちません。
それに対して、英語で“home”と言う時のニュアンスは、
必ずしも生れ故郷を指すものではありません。
アメリカ人に、
Where are you from?
と聞いてみると、日本人との認識の違いがよくわかります。
基本的に、本人がhomeだと思っている街が、その人の故郷になるのです。
小学生の途中まではテキサスにいたけれど、10歳の時にシアトルに引っ越し、
大学はNYでそのままNYで仕事を得て現在に至る35歳、という場合、
homeはNYだと答える人が多いと思います。
日本人の感覚だと、生まれ育ったのがテキサスであれば、その人はテキサス出身ということになります。
けれども、アメリカでは必ずしもそうではないのです。
なので、
Where are you from?
と聞くと、日本在住歴の長い人であれば普通に、
I’m from Tokyo.
と答えます。
いえいえ、そうではなくて、元々はどちら出身なんですか、と聞きたい場合は、
Where are you originally from?
というふうに、originallyを付けるといいでしょう。
どこで生まれ育ったかということにこだわる日本の文化と、
今現在のあり方を重視するアメリカ文化の違いが、このあたりによく表れていると思う私です。
あなたの“home”はどこですか?
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