イングリッシュブートキャンプ:由美です。
リスニングが苦手、特にRの発音が聞き取れない、という日本人学習者は多いでしょう。
なぜ、こんなにも私たちは英語に、苦労するのでしょうか。
遅くても中学1年から勉強し始めて、中高で6年、さらに大学や社会人になってからも入れると
十年以上勉強している人も、少なくありません。
私たちがリスニングが苦手なのは、正しい発音を理解していないからです。
その最たるものが、Rの発音です。
Rは巻き舌ではない
あなたは、Rを正しく発音できていますか?
Rといえば、舌を巻く・・・みたいに教わったこと、ありませんか?
なんとなく巻き舌にして、音をこもらせれば英語っぽく聞こえる。
歌っている時の桑田佳祐みたいな、あんな感じで発音する人が、結構多いんですね。
はっきり言います。
Rは巻き舌ではありません!
もう一度言いますよ(笑)
Rを発音する時、舌を巻かないでください!
本当に不思議なんですが、舌を巻いて発音する、というのを最初に言い出したのは誰なんでしょう?
学校の英語の先生でしょうか、それとも英会話学校の講師?
実際、アメリカ人講師ですら、舌を巻いて発音するよう、指導していたりします。
そこで、
「あなたRを発音するとき、舌を巻いてる?」
「うん、舌がちょっと上のほうに上がって、巻いた感じになるね」
「じゃあ、rememberって言ってみて」
「remember」
「どう、舌、巻いてる?」
「あっ Σ(゚Д゚|||)」
というように、はじめて気が付くんですよ(笑)
rememberと言う時に、舌なんかほとんど動いていない、ということに。
Rは、喉の奥を鳴らす音です。
英語以外のヨーロッパ言語、たとえばフランス語やイタリア語なんかの、Rの音も同じです。
喉の奥、ちょうど痰が絡むあたり(汚くてごめんなさい)を、唸る感じで慣らします。
フランス語のRなんて、まさに痰を切るときの音みたいですよね(苦笑)
喉の奥でRを発音しないと、rememberのような単語が、うまく発音できません。
“ゥリメンバー”みたいに、日本語英語というか、“なんちゃって英語”になってしまうんです。
いわゆる巻き舌R、なんちゃってRから脱却しない限り、ネイティブの英語は聞き取れません。
なんちゃってRと本当のRの比較
実際に、典型的な日本人の巻き舌Rと、本来のRの違いを比較してみましょう。
Rememberという単語を、まずはなんちゃってR(巻き舌)で、発音してみました。
次は、本来の喉を鳴らすR です。
どうですか?
違いがわかりました?
喉の奥で出すR は、音に深みがあるんです。
なんちゃってRでも、通じないことはないです、というより通じることの方が多いかもしれません。
けれども、本来の正しいR の音を発音できないと、ネイティブの英語が聞き取れません。
もう一つ、巻き舌Rと喉R の違いがよくわかる例を、聞いてみてください。
I’m sorry.というフレーズ。
sorryの発音が、ポイントですよ。
まずは、なんちゃってR から。
次は、喉発音です。
英語は、このRに限らず、喉発声で出す音が多いのです。
正しい発声は、英語を話す(聞く)ための基本です。
Rの音を正しく認識していないと、リスニングに苦戦します。
たとえば、
different, appreciate, aggressive, restaurant, refrigerator
といったような、Rが随所に入っている単語を、正しく言えなくなります。
そして、正しく言えないと、聞き取ることも難しいのです。
日本人が認識しているRは、大抵の場合、本来のRの音とは別の音です。
なので、実際のRの音が聞き取れない。
多くの方が、Rを誤解していますし、指導者ですら誤解していることがあります。
なんといっても、アメリカ人ですら誤解して、Rは巻き舌だと教えたりしてますから(^_^;)
では、本当のRってどういう風に発音するのか?
以前、英語を話す時に必要な3つのポイントについて、お話しました。
そのひとつである、舌の使い方と位置が、Rを正しく発音するコツです。
舌の根元をグイッと引いてみましょう。
その際、舌の筋肉を中央に集めてから、グイッと引きます。
この時点で、舌は口内のどこにも着いていません。
もしも、舌先や舌の側面が、前歯の裏とか上顎とかに着いていたら、正しい発音はできません。
どこにも着いていない状態で、喉の奥を鳴らします。
イメージは、犬が唸り声を上げる時の、あのグルルルルrrrrという声です。
犬の鳴き声が真似できれば、Rの音は正しく発音できています。
犬の唸り声はR、犬の遠吠えはWです。
このRを正しく発音できるようになると、リスニングがかなり違ってきます。
これまで聞けなかった単語や、フレーズがスッと耳に入ってくるように、なるでしょう。
最初は違和感があるかもしれませんが、毎日繰り返し練習するうち、感覚がつかめてきます。
舌も筋肉です。
筋トレと同じで、訓練しないとうまく動かせるようにはなりません。
発音は悪くないと思うのに、ネイティブの英語がもごもご聞こえる、
ナチュラルスピードの会話に、ついていけない・・・というあなた。
ぜひ、ここで一度正しいRの発音を、やりなおしてみてください。
普通のネイティブの雑談に混ざりたい
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Yumi自身、帰国子女でもなんでもありません。
日本人として普通に国内で教育を受け、試行錯誤の上ネイティブに近い流暢さを身に付けました。
なので、日本人が苦手な音や苦労する点を、熟知しています。
英語は難しい言語ではありません。
もしも英語がそれほどまでに難しいのであれば、世界共通語にはなっていないはずです。
英語はシンプルで、習得しやすい言語です。
ただ、わたしたち日本人の言語感覚と違う部分があるため、そこでつまずいている人が多いというだけなのです。
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著者プロフィール:明場由美子(Yumi)
大阪大学文学部卒、オクラホマシティー大学社会学専攻
フリーランス通訳、大手英会話講師、企業トレーナー、外資系出版社セールスマーケティングを経て2010年に独立、English Boot Campを立ち上げる。
監修本:『ネイティブ発音が3D映像でわかる!英語の発音トレーニングBOOK DVD1枚CD3枚付き』(西東社)-Amazonランキング発音部門で第1位!
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次回がとても楽しみです。
舌ではなく、喉なんですね。
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>グッピーさん
はい、舌ではなく喉です。
舌はあんまり関係ないです。
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「Rの発音の仕方」でググってみたら、いろいろ出てました。とてもシンプルに説明したものから、舌の形の変化を時間の経過とともに詳しく説明するものまで様々で、理屈で理解するのはなかなか難しい気がします。音を聞きながら唇や舌をいろいろ形に動かして似せるのがいいのかな?由美先生の解説、楽しみにしています。(^O^)/
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>briccoさん
Rは、舌を使っちゃうと英語がもたつきます(笑)
いわゆる、ナチュラルスピードについていけなくなります。
巻き舌Rでも、ある程度は通じますが。
舌に力を入れず、喉を鳴らすのがコツでくね~
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確かに、私の大学の外国人講師も舌を巻く感じと教えてます(ノ_・。)
そう教えるように指導を受けるのですかね。
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はじめにRは巻き舌にするって言い始めたのは(笑)
正しい発音の仕方わかりません。
間違った言葉広めた人や 間違ったまま使ってる日本
どうかしてるぜ(;´∩`) なんでCA 使ってるのか理解出来ません。
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>瀬戸内さん
Rに関しては、日本人があまりに苦手意識が強すぎて、おかしなことになっています。
ネイティブの講師でさえ、おかしな指導をしていて、
???と思うことが、多々ありますね。
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>ぴょん吉さん
巻き舌だと教えたのが誰かはわかりませんが、
そのせいで、かなり誤解が広まったと思います。
それを思うと、結構罪深いもしれませんね。
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[world]この場合、確かに舌は巻かないけど、日本人には難関な発音ですね。アールとエルがくっつくと、特に?????状態です。失敗すると
「ワード」になってるし・・・(汗)
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>たぬきさん
worldはLが入ってるので、ちょっとめんどくさいですね(笑)
LとRが交互に来るパターンが、日本人には難しいようです。
今日たまたまお友だちとR音について話題になりました。テレビ番組でR音の出し方を見たそうです。英語に精通している彼女ではないので、正確ではないかもしれませんが、下の先を窪ませて発音したそうです。他の人にもその練習をさせると、発音が良くなったと言っていました。それも、実際のところ聴いていないので分かりませんが・・・。でも彼女はその説明もしにくそうだったし、あまり下の格好が難しいとやりにくいですねえ。
ところで、いつも桑田さんを引き合いに出して、巻き舌はダメとおっしゃるけど、そう言われると、桑田さんの英語は英語もどきで下手というように聞こえますが、以前桑田さんの英語は上手いっておっしゃってなかったでしたっけ?
と疑問に思いました。
Rは、多くの学習者が苦労するところですね。
北米アクセントはRは巻き舌だ、と指導されることがあるので、
それが定着してしまうんですね。
実際、ネイティブは舌をほとんど動かすことなくRを発音しています。
桑田圭祐ですが、彼が日本語で歌う時の巻き舌を引き合いに出したのです。
あの独特の発音ですね、歌詞を見ないと何を言っているかわからないという(笑)
でも彼が英語の歌を歌っている(ビートルズだったと思います)のを聴いたら、
上手かったんですよ、英語が。
それで、よくよく注意して聴いてみると、歌の中にちょくちょく出てくる英語も、
とてもナチュラルだということに気が付きました。
Rを発音するとき、唇を動かす必要は全くないのでしょうか?
『脱カタカナ英語マニュアル』でも唇については触れられていないと思います。
同業の方に触れて恐縮ですが、バイリンガール英会話のちかさんは、
http://www.youtube.com/watch?v=Lce1qyInvjE
にて、最初に「ゥ」を入れる方法を紹介しています。
この方法でしたら、母音と組み合わせてRの発音できますが、
唇を動かさず喉だけで頑張ろうとした場合、母音とうまく組み合わせることができません(reallyの”rea”の部分など)。
私は読解力に全く自信が無いので、何か勘違いしてそうですが…。
takaさん
コメントありがとうございます。
Rの音は、ネイティブはほとんど口を動かすことなく、発音しています。
というより、Rに限らず、英語は多くの音が唇を動かさずとも出せるのです。
このブログの右上にある、Sarahとの対談動画を見てみてください。
Sarahの口が、ほとんど動いていないのがわかると思います。
最初に小さい「ゥ」を意識して発音すると、Rが出しやすいというのは、
あると思います。
Lux Super Rich という商品名を言うことで、今まで区別のつかなかったLとRが
発音できるようになったという日本人が多いのも、superと言うとき、
「ウ」の口になるからじゃないかと思います。
長年、Rの発音を「巻き舌」と考えていて、Rの発音の時にどうしても巻き舌になってしまいます。
語頭や語尾のRは何となく発音できていましたが、thirdやThursdayともなると、中々通じません。
巻き舌にならないようにするためにはどうしたらよいでしょうか?
悠人さん
コメントありがとうございます。
恐らくですが、ERの時に口を横に動かしてるのではないですか?
または、口を日本語の「あ」のように開いていませんか?
この音は、口はほとんど開かずに唇をアヒルのように突き出して、喉の奥でRの音を鳴らします。
巻き舌にならないようにするには、犬の唸り声を真似してみてください。
Grrrrと犬が唸っている鳴き声が、Rの音です。
Youtubeの動画をみてからこのブログに飛んできました。
どうして日本人がRとLをいつまでたっても区別できないのかわかった気がします。
自分も例にもれず、RとLを区別するのは一生かかっても無理なんじゃないかと思ってました。
しかし、Yumiさんの完璧なRの発音とその出し方を聴いてから、ネイティブの話すRとLの区別も前よりできるようになりました。
RとLの聞き取りは、以前までは音の高さとか子音の強さで区別してたので正答率が低かったのですが、音の深みと奥行きを意識して聴くようにしたら、正答率がグンと上がりましたね。
三崎亮さん
コメントありがとうございます\(^0^)/
YouTubeから来てくださったんですね、感謝です♪
Rは、カタカナ発音やなんちゃって発音でも案外通じたりするんです。
でも聞き取れない。
本来のRの音は喉のかなり低い位置(奥)で鳴らす、深みのある音です。
これが出せるようになると、如実にリスニングが上がりますよ。
練習してみてくださいね。
youtubeから来ましたー
Rの音を出すのに舌を引いて中腹を盛り上げる?
というのがイマイチ難しくて理解出来ません・・・。
舌を引くと盛り上がる所か巻き舌の逆向きの様に沈み込んでしまいます。
そうすると舌先が下あごに当たるので多分違いますね;;
舌を奥に引くというのは舌先がどれ位の位置まで奥にいっているといいのでしょう?
uesakiさん
コメントありがとうございます。
舌の動きですが、舌先を動かすのではなく、舌の根元を持ち上げます。
舌の根元から中腹にかけてが、上あごまたは上の奥歯に触る感じ。
舌先はどこにも着きません。
実際のところ、ネイティブは舌をほとんど動かすことなく、
Rの音を出していたりしますが、こちらはかなりハードルが高いので
最初は舌の根元をギュッと持ち上げるイメージで、練習してみてください。
Rの発音は音の出し方が二種類あります。
舌先を上あごに近づけるやり方と、舌の根元を持ち上げるやり方です。
この二つを混同していませんか??
根本的に間違った解説をしていると思います。
いかがでしょうか??
溝口さん
コメントありがとうございます。
英語のRは舌先は上げません。
中腹を上げて舌先は下げます。
または、舌そのものをほとんど動かすことなく、根元で息をブロックします。
この方の解説がわかりやすいと思います(舌の断面図と口元のアップが出ています)
参考までにどうぞ。
https://youtu.be/Jq_yIbrD01c
18世紀以前の英語のrはラテン語やドイツ語のrと同じに舌先を震わせる巻き舌だったのでしょうか。古楽やシェークスピアの演劇ではそう聞こえます。
ヘンデルさん
コメントありがとうございます。
そうですね、発音は時代とともに変わりますね。
Rに関してはイギリスとアメリカでも違います。
舌先が上顎に付けてRを発音する地域も、イギリスにはあるようです。