SNSの功罪

８月ですね。

日本はだんだん熱帯化してるんでしょうか。
いきなり凄まじい豪雨が局地的に降ったり、めちゃくちゃ暑かったり。
温暖化の影響なのか、なんなんでしょうねぇ・・・

先日、友人から聞いたのが、最近流行りのLINEのお話です。
LINEは無料でメッセージや通話ができるので、海外でもやっている人も多いというのもあり、とても便利。
アメリカやアジアの友人知人も、LINEユーザーが多く、私も日々利用しています。
ところが、これが日本だと結構めんどくさいことに、なっているらしいのです。

LINEにはグループとかいうのがあるらしく、ミクシィのコミュみたいなもんでしょうか。
で、受験時期になると、合格後まだ始業式が始まる前に、グループができあがり、
４月になって学校に行く時点で、すでに友達グループができているそうなんです。
そのグループに入っていないと、一人孤立するのだとか・・・
友人いわく、自分が子育てしていたころは、まだ携帯が出始めたころだったからよかった、
今の母親は大変だ、と言っていて、「ほぉ～～～」という感じでした。

実際に会って、この人と気が合いそうだなとか、この人と仲良くなれそうだなとか、
そういうケミストリーっていうんですか？　そういうところから友達に発展する前に、
すでにSNSで顔も合わせていないときからグループ化してしまう、なにそれ～とちょっと怖くなりました。
先日山口の山村であった殺人事件なんかもそうですが、いわゆる日本特有の“村八分”文化。
これが、リアルな社会でもデジタルの中でも起きていて、ちょっとゾッとします。

私が子供のころ（大人になってからも　笑）は、パソコンも携帯もありませんでした。
夏休み前にみんなと「またね～」とお別れしたら、基本的にそれでおしまい。
休み明けまで会うことはほとんどなかったし、遊ぶのも近所の子とくらい。
だから、昔は一人になる時間がたくさんありました。
学校から帰ってきたら、翌日学校で会うまで、みんなひとりです。
電話は黒電話で一家に一台、玄関の電話台の上に置いてあって、用事がある時以外はかけない。
ちょっとでも長電話しようものなら、親に怒られました。
でも今はメールがあるので、家に帰ってきてからも学校の友達とやりとり。
休みの日もやりとり。
そしてSNSではグループまであって、それに入ってないと孤立してしまう。

日本人って、孤立することを恐れるきらいがあるのは、昔からだと思います。
孤立すると村八分に合うし、そうなると生活ができなくなる。
だからなるだけみんなに足並み合わせて、必死で生きてきたわけですが、
デジタル社会になっても、それが脈々と受け継がれているんだなぁと、しみじみ思いました。
大人は色んなしがらみがあるから、今も昔も変わらないかもしれないけど、
子供社会はネットの普及により、確実に今のほうが生きづらいように思います。

家に帰ってきて、一人でゆっくり考え事をしたり、本を読んだり。
そういう時間って、とても大事だと思うんですよ。
読んだらすぐに返信しないと、みたいな強迫観念を持ちながら日々学校に行くのって、ストレスフルです。
それと、一人になって勉強したり考え事をしたりする時間って、すごく大事です。
十代のころに、こういった孤独を乗り越えられた人と、そうでない人とでは、
大人になってからの生き方が、大きく変わってくるように、思うんですよね。

特に、語学学習って、こういう一人の時間にやることが多い。
情報がないから、遠くの図書館まで調べ物をしに出かけたり、そこでもコンピューター検索なんてないから、
いちいち無駄足を踏みながら、目あての本を探し出すうちに、全然関係ない本を読んだりして、
そういう遠回りが、後々の知識の肥やしになったりするもんです。

私の世代には、SNSはただ便利だというプラスの面しかありません。
それは、数多くある選択肢の中の一つでしかないと、肌で知っている世代だからです。
けれども、最初からネットありきの時代に生まれた人は、なんでもネットで調べておしまい、
海外もネットで動画やイメージを見て、行った気になっておしまい、なんてことになりかねない。
まさに、SNSは両刃の剣なんだなと、友人の話を聞いてあらためて思いました。

鋏は使いようと言いますが、ネットもSNSもツールのひとつにしかすぎません。
これに振り回される人生なんて、ご免こうむりたいもんですねぇ・・・

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