イングリッシュブートキャンプ:由美です。
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★直訳と意訳、どちらも要注意
英語を、というか外国語を理解するとき、まず大事なのは、きちんと訳すということです。
映画の字幕や小説、曲の歌詞など、意訳されたものを見て、原文を理解した気になっては、危険です。
その良い例が、あの大ヒットディズニー映画、『アナと雪の女王』でしょう。
アナと雪の女王、原題は『Frozen』ですが、このサントラ盤が大ヒットしました。
サントラがここまで売れたのは、なんと30年前の『フラッシュダンス』以来の、快挙とか。
それほどまでに、この映画が支持される理由は、まあここではさておき。
この主題歌、『Let It Go』の歌詞の和訳が、問題なんですね。
当たり前のことですが、歌詞やセリフは、直訳ではありません。
いわゆる、意訳と呼ばれるもので、日本語にしたときに、しっくりくるように、訳者が工夫します。
ただ、この曲の場合、そういう意味での意訳を超えた、ある種、超訳と言ってもいいのでは、
というくらいに、歌のニュアンスが、変わってしまってるんですね。
★Let it go は「ありのまま」ではない
この曲のサビの部分、♪ ありの~ままの~姿見せるのよ~♪ というのが、非常にキャッチーで、
そのせいで、let it go を、“ありのまま”だと、思ってしまう人が、いるようです。
これは、非常に大きな誤解です。
辞書で調べれば、let it go の意味は、ちゃんと出てきますが、そこまでしない人も多いですからね。
Let it goとは、「もうあきらめろ」という意味です。
気にするな、もうしょうがないんだから、もういいじゃない、というニュアンスです。
関西弁で言うところの、「もうええやんか」に当たりますね(笑)
ところが、歌詞の訳は「ありの~ままの~」になっていて、なんだかとっても前向き。
これはまずいな、という気がします(^ ^;)
あ、まずいのは、和訳がどうの・・・ではなく、Let it go の本来の意味を、
間違って覚えてしまう人が、たくさんいることが、まずいのです、はい。
ミュージカルの和訳は、非常に難しいです。
歌は字数制限があります。
英語は、一つの音符に、一つのシラブルが乗りますが、日本語は1音符1文字です。
なので、英語の内容をすべて歌詞に盛り込むのは、物理的に無理なんですね。
英語と日本語の、根本的な違いについては、以前「赤鼻のトナカイ」を例に、説明しました。
こちらから見られますので、どうぞ。
早い話が、英語の歌詞を100%訳して、日本語にして歌に合わせることは、無理なんですね。
だから、どうしても意訳せざるを得なく、なってしまうんです。
なので、ミュージカルの日本語版歌詞や、映画の字幕は、元のニュアンスとかけ離れる場合がある、
ということを、知っておいた方がいいでしょう。
まずは、ちゃんと直訳してみましょう。
このサビの部分だけ、見てみましょうね。
右は、日本語版の歌詞です。
Let it go, let it go ありのままの
Can’t hold it back anymore 姿見せるのよ
Let it go, let it go ありのままの
Turn away and slam the door 自分になるの
I don’t care 何も
What they’re going to say 怖くない
Let the storm rage on 風よ吹け
The cold never bothered me anyway 少しも寒くないわ
英語は、1音符1シラブルです。
だから、レリゴ~レリゴ~となるわけです。
なぜ、let it go がレリゴ~になるのかは、こちらで音声解説していますので、どうぞ。
とにかくこの字数に、訳語を当てはめるのは、本当に大変だったと思います。
なので、字数関係なく、本来の直訳を、書いてみますね。
Let it go, let it go もういいわ、もういいの
Can’t hold it back anymore もう我慢できないわ
Let it go, let it go もういいの、かまわない
Turn away and slam the door 背を向けて、扉をバタンと閉める
I don’t care もう気にしない
What they’re going to say 誰に何と言われようとも
Let the storm rage on 嵐よ吹き荒れろ
The cold never bothered me anyway 元々寒さなんて気にならないもの
という感じです。
どうですか?
本来の歌のニュアンスと、和訳された歌詞では、ずいぶん違うでしょう?
私は映画を見ていないので、このヒロインの性格を、把握しているわけではないですが、
この日本語版歌詞を見る限り、英語版より、かなりポジティブで明るい設定に、
なっているような印象を、受けますね。
★Let it go のもう一つの意味
さて、Let it go の意味は、これでわかったかと思います。
が、このフレーズには、他にもよく使われる、シチュエーションがあるんです。
それは、こういう場合です。
Just let it go at this. まあ、これでよしとしようか。
話し合いをしていて、もうこれ以上話しても、発展性がないから、これで議論は終わりにしよう。
というときに、よく使われます。
あと、もう見逃してやろうと、いいじゃんもう、という意味で使うこともあります。
ついでに、覚えておきましょうね(^O^)
★英語は音が命
一つの音符に一つのシラブル。
これは英語の基本です。
英語は、シラブル(音節)で、成り立っているのです。
リズムと音を理解することは、英語を話せる、聞けるようになるための、第一歩です。
『Yumiの脱カタカナ英語マニュアル』は、英語の基本発声である喉の開き方から、
リエゾンやリダクションまで、段階を踏みながら習得できるように、まとめられています。
あなたも、ネイティブ発音を目指しませんか?
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実はこの歌、小学生のレッスンで使いました(笑)
ありのままはbe yourselfみたいな感じになりますね。
Just let it goは日常会話で、「そんな事で悩まずもう忘れたら」と言う感じでもよく使いますね。この歌の場合は「本当の気持ちを隠さずぶっちゃけたら」的な感じだと思いますが…
Let the storm rage onの部分は「うるさいやつには言わせておけば良い」を嵐を使って表現している感じですね。
この歌、英語を見る限り、前向きな明るいイメージではなく、
これまでの我慢してきた感情が爆発して、「もうええんじゃ~」となっている、
そういう場面だと思うんです。
それが、日本語版の歌詞だと、ちょっと違う風になっていますね。
Just let it goって、結構よく使いますよね。
だからこそ、「ありのままに」だと勘違いしちゃうと、大変です(^ ^;)
私は英語版が好き。
日本語版は病的なイメージが強い。自己陶酔して頂点に登りつめたような異常なまでの昂揚感は鬱に近いものを感じる。頂点を極めたら堕ちるしかない影の部分が背中合わせ。
たかすけさん
コメント、ありがとうございます。
究極の昂揚感は、確かに日本人が好きな世界かもしれないですね。
後がない、有終の美、みたいな。
武士道とかもそういう精神からきてますしね。
それを考えると面白いですね。
こんにちは
「ありの~ままの~♪」ってなんかしっくりこないなと思ってたんですけど、この記事をみてなるぅほどぉーってなりました^^
let it goは使われているのを聞いたことがなかったので、そういう使い方もあるのかなーと勝手に思ってたんですよね。これは良くない和訳ですね:( 笑
おかげですっきりしました。ありがとうございます!感謝のポチしときました。
hataoさん
コメントありがとうございます♪
「ありの~ままの~」というのは、あの映画の中のあのシーンを
うまく表す良い訳だと思います。
アニメの口の形にも合ってますしね(^O^)
ただ、実際の英語とこういった意訳は違っていることが多いので、
要注意なんですよね。
やはり、一々ちゃんと辞書で調べることが大事かなと思います。
ポチ、ありがとうございます\(^0^)/
ご存じだと思いますが、アニメの場合特に口元に違和感がでないような訳をつけないといけません。ありの~はまったく違和感がない点でなかなかすばらしいできです。でも意味が少しずれてますが、完璧というのは難しいものですね。
廣瀬さま
コメントありがとうございます(^O^)
口の形に合わせて訳を付けるのは、大変だと思います。
そもそも英語の詞を日本語にしてメロディーに乗せる事自体、
かなり大変だと思うのに、そのうえアニメですからね。
訳者泣かせですね(^ ^;)
「もうええんじゃ」っていいですね!まさに
英語の歌詞はそんな感じ。
「やってられるかい!」という感情ですよね。
ブチ切れているわけですからね〜。
英語版で見たので、日本語の歌詞を長い事
知りませんでした。続編ができるみたいですね。
Rainyさん
日本語版は、この映画がヒットした去年、近所の子供達とか
街行く子供たちがみんな歌っていたので、サビの部分だけは
勝手に覚えちゃいました。
と同時に、本当にそこまで流行ってるのか~と、
テレビを見ない私は、妙に感心した記憶があります(^ ^;)
続編ができるんですね~
知らなかったぁ~